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スプラッシュ試乗 [クルマ関係]

私はいわゆる売れている車というのはキライなので、マイナーな車ばかり乗ってきました。不便でも売れていなくても、なにか「光る」個性がある車が好きです。これまで乗ってきたヴィッツターボ、ケイマン、アイはいずれも売れてはいない車ですが、どれも個性があります。最近出た車ではプリウスやインサイトなどには絶対乗りたくありませんが、スプラッシュというマイナーな車がメディアでべた褒めされていたので試乗してきました。

スプラッシュは結構いいかも。とくに欧州車好きには刺さる車です。逆に日本車的感覚で評価すると厳しいかもしれません。(逆輸入車なので、厳密には日本車とはいえません)

スズキの車です。Webはこちら
http://www.suzuki.co.jp/car/splash/


最初にヤフーのカーレビューを紹介します。わたしは高速道路では乗れなかったので高速安定性などについてはなんともいえませんが、おおむね納得できるレビューだと感じます。このページなんかよりよほど役に立つかも。
http://autos.yahoo.co.jp/ncar/catalog/urev/model/SZ/S046/F001



まずはネットで試乗車があるディーラーを探して試乗に行きました。平日の昼間にアイで乗り付けましたが、はっきり言ってセールスマンのやる気はゼロでした。買う気があまり無いのがバレバレなんでしょうね。そのときの服装がボロボロだったのも向こうのやる気を削いだんでしょう。

最初にカタログをもらいましたが、普通のカタログです。ただこのカタログでは、最後のカップル風の写真を除いて全く男性が出てきません。車のつくりがきわめて男っぽいのにこのカタログというのは、マーケティング戦略がぶれているような印象です。ちなみにこれはアイも同じです。アイも車のつくりがマニア向けなのに、デザインやカタログがファンシー調で乖離しています。

デザインは結構まとまっていると思います。グリルのSマーク(AMGのスリーポインテッドスター並の目立ちっぷり)はいかがかと思いますが、カタマリ感があるデザインだと思います。パレットとかタントのように最大限スペースを追求した印象(つまり所帯じみた感じ)がなく、結構スタイリッシュです。

車内はやや狭い印象がありますが、現実的には不足はありません。少なくとも前席は普通に座れます。もちろんパレットのようなだだっ広さはありませんが、パレットが異常に広いのであってスプラッシュが狭いわけではないと思います。

シートはすばらしいです。最近乗った日本車の中ではベストです。形状は何の変哲もありませんし、質感などもごく普通です。しかし座ったときのフィット感は素晴らしい。今アイにつけているレカロ Style-JJに全く劣りません。やや堅い感じはしますが、実に良いシートです。これなら長距離でも疲れないでしょうね。感触がゴルフのシートに似ています。とくにゴルフ3を思い出しました。しかし、シートは座って運転してみなければ良さがわからず、(大半の日本人には)アピールポイントにはならないでしょうね。

ハンドリングは攻めていないので本当の実力はわかりませんが、路面への粘着感が確かにあります。ケイマンやゴルフ5にはそのような粘着感があるのですが、これにもあります。ちなみにヴィッツやアイにはありませんね。

エンジンのトルク感は普通です。タコメーターがないので詳しいこと不明ですが、普通に走ります。別にパワフルと言うわけでもないですが不足はありません。高速道路ではややパワー不足だと思いますが巡航には問題ないと思います。
ミッションはCVTですが、できはよいです。つまり、トランスミッションの存在をあまり意識させません。普通に仕事をしてくれると言う意味でよいトランスミッションです。違和感もほとんどありません。十分及第点です。

ウインカーの音はいまひとつです。ヤフーのレビューにも書いてありましたが、「ピッコンピッコン」と言います。おもちゃのような安っぽい音です。もう少し何とかしたら良いのにと思いますが、実害はありません。逆輸入車のくせにウインカーレバーは右側にあります。さすが元?日本車ですね。思ったよりきちんと対応しています。

セールスマンによると燃費もいいそうです。スプラッシュはスイフトと同じプラットフォームを使用しており、同じくらいの燃費だそうです。それはつまりアイのターボよりはるかに良いということを意味します。

欧州車らしいと思ったのは、後席ヘッドレストが3つきちんとあることです。後席のシートベルトもまともです。それらをきちんと装備することが正しいことかどうかはわかりませんが、少なくとも安全性に妥協していないのが欧州車らしいです。サイドエアバッグも標準で装備されています。

さらに車内の小物のそこはかとない使い勝手の悪さが欧州車風です。つまり、日本車はカップホルダーや小物入れなどこまごましたところで、かゆいところに手が届く配慮があります。これはどの車種にも感じますが、そのあたりの印象が薄いです。もちろんある程度のコストが許容されるであろうケイマンでも同じことを感じます。

グレードはひとつだけで、メーカーオプションは無いそうです。つまり色しか選ぶ余地はないらしい。もちろんディーラーオプションはたくさんあるのですが、あくまで後付けの部品です。メーカーオプションがない車というのは初めて見ました。最初からたくさん売る気もなそうなので、納得はできます。

ただしHIDとスマートキーが装備できないのはマイナスポイントです。HIDは社外品を後付すればよいのですが、スマートキーはオプションでよいから設定して欲しいです。標準装備にする必要は全くないと思いますが、ディーラーオプションでもよいから設定して欲しいですね。

さらに一番問題だと思うのは、ESP(横滑り防止装置)がオプションでも装着できないことです。これは絶対に要ります。欧州(EU)では本来は付いているのだと思いますが、サイドエアバッグを標準にする前にESPをつけるべきでしょう。事故率を下げることがわかっていながらESPを標準から外すのが、日本のユーザーの自動車への興味の無さをあらわしているように思います。メーカーは全てを知った上で、アピールポイントにならないと考えて外したのだと思いますが、情けないです。



全体としてみると、よく出来た車です。ただ、その良さがわかりにくい玄人向けの車と感じます。想定の販売台数が月500台だと何かで読みましたが、そんなものでしょう。都会向きではありませんが、田舎でかつ高速道路での移動が多い人には向いてそうです。

私は非常に気に入りました。特に欧州車が好きな人には薦めます。
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コメント 2

もう

ESP(EBD)も標準でついてますよ。
by もう (2009-05-07 13:28) 

take3

コメントありがとうございます。私が調べた限りでは、たしかにEBDは付いていますが、日本仕様にはESPはオプションでも付きません。
なおEBDとESP(ボッシュ用語)は異なります。EBDは単なるブレーキバランス調整システムでABSからの追加コストはわずかです。ESPはスタビリティシステムですので、システムも用途も異なります。
by take3 (2009-05-08 16:44) 

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