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アイMiEV見てきました その2 [アイ(ガソリン)]

電気自動車であるアイ MiEVの実車を再度見てきました。また今度も実車には乗れませんでしたが、ドアが開いた状態を見ることができました。(自分の車とほぼ同じなので意味は余りありませんが・・・。)

同時にアイに関する講演もあり、参考になる部分もあったのでそれらについて書いてみます。

今度は別の車両が展示されていました。なんとなく痛車に見えるような気がします。ちなみにこれは某電力会社のフリートモニター車両でスタッドレス付きでした。
i_MiEV_.jpg


まずは講演の感想から書きます。
三菱自動車の社長代理とかいう人が話していましたが、たぶんこの人はエンジニア出身でしょうね。正確に話そうとするあまり、電気自動車の革新性やガソリン車との違いを強調できておらず、知識がゼロの人に話す話し方ではありませんでした。
自分にとって参考になった部分はほとんどありませんでしたが、それでも少しは参考になったのでそのあたりを重点的に書いてみます。


バッテリーの配置です。
バッテリーモジュールを22個配置しており、総計88セルだそうです。もともとガソリンタンクがあった場所には10モジュールが配置されています。
バスタブ型?のバッテリーフレームに搭載されていますが、どうせならこのフレームを高剛性につくれば車体自体の剛性はめちゃくちゃあがりそうです。(現時点でも上がっているらしいですが)
i_MiEV_battery.jpg

総合効率の表です。通常のガソリン車の効率が12.4%となっていますが、まあこんなものでしょう。
ちなみにWell to Wheel (油田から車輪と言う意味)での総合効率で電気自動車とハイブリッドの差があまりありません。このハイブリッドというのは要するにプリウスでしょう。三菱自動車は「それならレアメタルの使用量や製造時のCO2排出量を考えると、ハイブリッドの方が良いのではないか」という突っ込みに対する返答を用意する必要があります。さらにプリウスの電池はいまのところニッケル水素です。これがリチウムイオンになったときにはもっと効率が上がると思いますので、さらに差が小さくなります。
ただし、このあたりに対する議論には前提条件が要ります。ガソリンエンジンはガソリンでしか動きません。(エタノールなど例外はありますが、この際はおいておきます) しかし、電気はいろいろなものから作ることができます。極端な場合風力とか太陽光などの自然エネルギーでも発電でき、この場合は"Well to Wheel"という言葉自体が意味をなしません。このスライドはあまり意味があるものではありません。
i_MiEV_efficiency.jpg


運用コストです。昼間の電力で大体ガソリンの1/3になり、夜間電力で1/9になるそうです。もともとエネルギー密度では重量比で100倍くらいバッテリーよりガソリンの方が高いので、順当なところでしょう。この差はヒーターを使って走るときに効いてきます。
i_MiEV_cost.jpg


画像はありませんが、アイのガソリン車との比較でダブルレーンチェンジをしていましたが、すばらしい動きでした。実に安定していました、外から見てこれだけ良いなら、実際に乗るとさらに違うでしょうね。今回の一番の収穫でした。

講演の最後に司会のアナウンサー?が登場し、前記のランニングコストのスライドを見て「電気自動車なら購入後も安く使えるんですね」とコメントしていましたが、車両価格を知って言っているのでしょうか。
アイの2WDターボの価格は150万円弱です。MiEVは420万円なので(税や購入補助を除いた場合)差額は270万円です。これを吸収するのはどれだけ走らないといけないのでしょうか。現実的にはムリでしょう。
それを聞いて講演者が苦笑いしていましたが、最後の最後まで車両価格は言いませんでした。燃料電池車の価格は一億円くらいといっていましたが、これから市販するといっている車の価格(目安でも)を言わないのは不誠実です。
さらに、この司会者はアイMiEVの実車がステージに登場した際に「エンジンをかけてください」とズレたアナウンスもしていました。アイMiEVの起動は電気ストーブのスイッチを入れることと同じです。ここでもやはり講演者から苦笑が漏れていました。

はっきり言ってあの司会はいない方がよかったです。ただ車に興味のない一般大衆の理解度を知るという意味では、意味があったのかもしれません。



いろいろな意味で微妙な講演でしたが、まあそれなりに参考になりました。しかし、本当に知りたいと思っていた点はほとんど解決しませんでした。後でエンジニアに質問したかったのですが、時間が無かったのが残念です。
疑問点を列挙してみます。

1:ヒーターの構成
単なるジュール熱によるヒーター?ヒートポンプによる暖房?またモーターやインバーターの排熱の回収は行っているのかどうか。これはかなり重要です。航続距離にダイレクトに響くので、空調の構成は絶対に確認したいところです。
逆にクーラーの構成はどうでもよいです。ヒートポンプに決まっているので選択の余地はありません。ただし、コンプレッサーの構成あるいは配置については興味があります。たぶん独立のモーターでの駆動だと思いますが、どこに配置しているのでしょうか。フロント?

2.バッテリーの価格
バッテリーの価格が車両価格に占めている割合を確認したいです。多分半分以上でしょうが。

3.シリーズハイブリッドの開発の予定があるか否か
インサイトのようなパラレルハイブリッド、プリウスのような中間ハイブリッドと違い、シリーズハイブリッドは本質的には電気自動車です。
アイは前のエンジンルーム?ががら空きなので、シリーズハイブリッドにしやすいはずです。ピュアEVなら私はまだ買いませんが、シリーズハイブリッドなら私は即買い換えます。バッテリーの使用量を抑えて価格を下げられないでしょうか?



最後に最近買った電気自動車関連の本を1冊紹介しておきます。

この本はかなりよくまとまっています。よくある「電気自動車礼賛一色」というバカバカしい本ではありません。燃料電池車を含む電気駆動の車全体について欠点を含めて記述してあります。視点を広く取ってあり、比較的公正な書き方が貫かれています。もちろん全体のスタンスとしては電気自動車を推進する立場なわけですが、その割には公正な本と感じます。そこがこの本の美点です。もちろんアイMiEVの話も随所に出てきます。
技術的にかなり高度なことまで書いてあるので、これを細部まで理解したら電気自動車の利点と欠点がとてもよくわかると思います。エンジニアが書くと技術偏重でこだわりの強いわかりにくい本になることが多いですが、そうもなっていません。

結構お勧めです。

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