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アイ MiEV発売 [アイ(ガソリン)]

事実上初の電気自動車(EV)であるアイMiEVがとうとう発売されました。ディーラーに部品を買いに行ったついでに、MiEVについてもいろいろ聞いてきました。また紙カタログももらってきました。

三菱のアイMiEVのページはこちらです。
http://ev-life.com/index.html

カタログを読んでもあまり新しい情報は無かったのですが、ディーラーで聞き込んできた情報などを含めて書いてみます。

この色を含めて他にも色は選べます。でももっとハデな色が欲しいです。アイには地味な色は似合いませんね。
miev_all.jpg

EVで常に問題になる航続距離は、スペック上で160kmです。ただしこれは10・15モードの条件で、さらにエアコンオフという非現実的な条件ですので、実際に使う上では全く当てになりません。ディーラーに簡単な想定問答集みたいなのがありましたが、それによるとクーラーONの状態で100km、ヒーターONの状態ではさらに少し短くなるそうです。
それからここからが特に問題ですが、ヒーターONでの100km/h巡航時には50kmくらいに落ちるそうです。おそらくこれは電力会社でのフリートモニター時の実績なのだろうと思います。
これは理論的には当たり前のことです。一定速度での巡航では回生は全く効きませんし、高速道路を巡航というのはEVにとって非常に悪い条件といえます。
逆にこのような高負荷定速運転というのは内燃機関にとっては最高の条件で、ガソリン版アイの得意とするところです。アイのターボ4WDでも100km/h巡航なら余裕で14km/hくらいは行きます。NAの2WDならさらに燃費はいいと思います。

この50kmというのが実用的にどう言う意味を持つのかは、用途によると思います。
たとえば北海道(寒い)、スタッドレス装着(転がり抵抗増加)、厳寒期の夜でヘッドライト点灯(電力消費増)、4人乗り、雪が降っていてワイパー作動などといった条件でスキーにでも行ったとします。
EVでスキーに行くかどうかはともかくとして、このような条件での航続距離はかなり厳しいでしょうね。(人間は一人100Wくらい発熱するから少し暖房はラクかも?)
そもそもアイMiEVには4WDもありませんし平均走行距離の長そうな北海道に向いている車とも思えませんが、それでも欲しい人はいるでしょう。そのようなところでは大変そうです。



価格は以前に聞いていたのと大体同じで税込み460万円だそうです。まあこんなものでしょう。燃料電池車が1億くらいだそうですから、それと比べるとまあ安いといえると思います。アイの2WDターボが150万弱ですので300万円高い、というか3倍の値段ということですね。

今年は補助金が140万円ほど出るらしいです。そのため実際の支払い額は300万円ちょっとですな。これでガソリン車の2倍です。ただしあと1年間くらいは法人向けのみで、しかも全車契約先は決まっているそうです。
その後で個人向けに出ますが、2010年までは価格は同じだそうです。ただし補助金がどうなるかはわからず、減る可能性もあるかもしれないが予想できないらしいです。あいからずの迷走ぶりですな。国としてのビジョンに欠けるのはいつものことですので、いまさら腹も立ちません。

また、販売方法は全車リースで、4年だか5年の契約になるらしい。月6万円と聞きましたが、まあそんなものでしょう。どうせ補助金で縛られるので、買取できないことも妥当だと思えます。


ひとつ心配なのは、アイ自体(ガソリン版という意味です)が生産中止にならないかどうかです。アイは最初は売れましたが、今は全然売れていません。莫大にかかったと思われる開発費の償却が済んでいるのか、人事ながら心配です。
スバルのプラグインステラもどうするんでしょうね。スバルの軽は生産中止だそうなので、ステラのラインだけ残すとしても、ラインの維持に相当の負担がかかりそうです。気の毒に。



ディーラーでセールスマンと話をしていて思ったのですが、アイMiEVを実際に使うとしたときの問題点は、車自体よりもインフラが全く追いついていないことです。
事実上はじめてのEVなので当たり前ではありますが、現状では自宅で充電できない人には意味がありません。また事実上遠出もできません。明らかにセカンドカー用途にしか使えません。

初年度は法人向けなのですから、車体購入に補助などつけなくてもいいと思います。300万だろうが400万だろうが、役所は買うでしょう。(それはそれでどうかという気もしますが) エコイメージを大事にする企業にとっても大差は無いと思いますし、都市部での配達業務などにはもともと向いています。

それより充電器設置に補助をつけるべきです。高速道路の全SA,PAに充電器を設置すべきですし、インターチェンジにもあったら便利でしょう。あとはコンビニあるいはガソリンスタンドに設置するように誘導すれば良いでしょう。
全部のPA,SA、IC、コンビニ、ガソリンスタンドにあれば、アイMieVの性能なら十分実用的に使えるはずです。

あとは充電器の標準化ですね。メーカー同士でつぶしあいをしているような状況では無いでしょうから、全メーカーで話し合って充電器とコネクタ?の標準化をして欲しいです。完全に規格を公開してオープン規格にするべきです。
インテリジェントに通信できるような機能もつけるべきでしょうし、発展性のある規格をさっさと策定して欲しいところです。
アイMiEVが売れようが売れなかろうが、充電器の標準化には意味があります。これから続々出てくるであろう他の電気自動車にも使えますし、プラグインハイブリッド(プリウス改良版が一番乗り?)も出てくるでしょうから、それにも使えます。
どう転んだとしても無駄にはならないので、そういう投資をすべきですね。一律12000円を全国民にバラ撒くという恥ずかしい政策を取るくらいなら、このような未来に向けて役に立つことにお金を投入していただきたいです。
次世代の自動車がハイブリッド、プラグインハイブリッド、燃料電池車、電気自動車のどれになっても大丈夫です。そもそも、ここに挙げた車は互いにかなりオーバーラップしているので、この分け方自体にも意味が無いかもしれません。

また、現時点では電気の二次販売が法律上できないため、有料の充電器は設置できないそうですが、これも速やかに法律を改正して欲しいです。




いろいろ書きましたが、やはり散々言われているように航続距離が問題になりそうです。急速充電器がそれなりにあれば、現状の航続距離であまり問題にならないようにも思いますが、気分的に不安ですね。

やっぱりシリーズハイブリッドを作って欲しいです。それで航続距離とヒーターの問題を一気に解決できれば、購入の敷居がかなり下がるように思います。発電能力は10KWも要らないでしょうし、どうせほとんど使わないわけですから少々の効率低下も目をつぶれるはずです。そうしたら軽くできそうです。
ぜひぜひ期待です。




メカニズムについては、正直言ってアイMiEVは面白くありません。目新しい部分はあまり無いのですが、むしろ興味があるのはハンドリングと乗り味です。試乗車が全国で70台確保されており、各県持ち回りで乗れるようになるそうです。私の近くにも試乗車がいずれ来るはずなので、その時には試乗してみるつもりです。

もちろんそのときにはじっくり観察してみます。試乗できるのが楽しみです。
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