「最新!自動車エンジン技術がわかる本」 紹介 [クルマ関係]
クルマ関係の本はいろいろありますが、やはりモーターファンイラストレイテッドシリーズの出来の良さは群を抜いていると思います。もちろん月刊なので良いときも悪いときもありますが、買って損したと感じたことはほとんどありません。
最近のCG誌のように本屋での立ち読みで十分で、買う気にならないような雑誌はいっぱいありますが、すくなくともモーターファンイラストレイテッドは立ち読みを全くせずに買ってしまいます。(家でゆっくり読みたいから)
今回紹介するこの本はモーターファンイラストレイテッドと雰囲気は似ており、エンジン編のまとめというような感じといったら良いと思います。とてもわかりやすく、かつ高度な解説がされています。
ただし、例によってエンジンに全く興味がない人は買ってはいけません。「圧縮比」「ポンピングロス」などというような言葉を初めて聞くような人には面白くないでしょう。決して専門書ではないのですが、だからといって入門書でもない絶妙な難易度の本です。
楽天ではこちら。
アマゾンではこちら
それでは中身の紹介です。
この本の基本スタンスは「いかに高効率を達成するか」ということです。そのため、高出力化とか高回転化などといったことは全く出てきません。まあ、冷静に考えると高効率化と高出力化は同じことです。
具体的には「過給ダウンサイジング」と「ノンスロットリング」あたりに重点を置いて解説してある感じですね。
ディーゼルはなぜ燃費がいいか?などという基本的なことから、HCCIまで書いてあります。
個人的には圧縮比の設定のところがもっとも参考になりました。熱機関はサイクルの特性から、圧縮比が高いほど理論熱効率がよくなります。しかし実際のエンジンでは冷却損失をはじめとする損失があるから単純にそうとは言えないということが良くわかりました。
モーターファンイラストレイテッドを読んでいると、ガソリンエンジンでは「圧縮比を上げられた」と良く書いてあります。これは良い設計で高圧縮比を達成できたという意味で、自然に受け入れられます。しかし、ディーゼルでは反対に「圧縮比を下げられた」というフレーズが良く出てきます。圧縮比を下げたら効率がさがるのになぜ「下げる」ことが偉いのか不思議に思っていましたが、この本で解決しました。まあ詳細は読んでください。
あとはプリウスのエンジンについても面白かったです。プリウスのエンジンはミラーサイクルのパクリですし、はっきり言ってエンジンに特別なテクノロジーはありません。しかしプリウスの本質は決してモーターではなく、エンジンにあります。正確に言うとエンジンの制御です。エンジンの低燃料消費率な条件を使い尽くす設定になっている(というかモーターの助けを借りてそれを現実的に実行できた)というところです。
ガソリンエンジンは低回転かつ高トルク時に効率が良好ですが、通常のガソリン車ではそういうところばかり使うのは現実的ではありません。でもプリウス式ハイブリッドならかなり可能です。しかも現行プリウスは常時ストイキ燃焼なので、その意味でもすばらしいです。
途中に入っているコラムも結構面白いです。
ヨーロッパのガソリンのオクタン価のことも書いてありました。96オクタンが標準らしいですが、日本ではレギュラーとハイオクの中間ですな。ということは全てハイオク仕様にせざるを得ないというのがわかります。ケイマンの指定燃料で、オクタン価でRONとMONの平均が95以上と書いてあった意味がはじめてわかりました。バイオガソリンとしてETBE混入のガソリンならオクタン価を上げられるので、良いタイミングだったのにと悔やんでいます。結構このあたりの裏話が興味深いです。ちなみにエタノール直接混合ではどうなんでしょうね。オクタン価はやっぱりあがるんでしょうか。低級アルコールのオクタン価が高いことは有名ですが、混合でも同じことが起こるのかどうか知りたいです。
例によってつらつら書いてきましたが、イラストも綺麗ですし読んでいて非常に参考になります。モーターファンイラストレイテッドを読んで意味がわかり、そして面白いと感じる人ならお勧めできます。
最近のCG誌のように本屋での立ち読みで十分で、買う気にならないような雑誌はいっぱいありますが、すくなくともモーターファンイラストレイテッドは立ち読みを全くせずに買ってしまいます。(家でゆっくり読みたいから)
今回紹介するこの本はモーターファンイラストレイテッドと雰囲気は似ており、エンジン編のまとめというような感じといったら良いと思います。とてもわかりやすく、かつ高度な解説がされています。
ただし、例によってエンジンに全く興味がない人は買ってはいけません。「圧縮比」「ポンピングロス」などというような言葉を初めて聞くような人には面白くないでしょう。決して専門書ではないのですが、だからといって入門書でもない絶妙な難易度の本です。
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この本の基本スタンスは「いかに高効率を達成するか」ということです。そのため、高出力化とか高回転化などといったことは全く出てきません。まあ、冷静に考えると高効率化と高出力化は同じことです。
具体的には「過給ダウンサイジング」と「ノンスロットリング」あたりに重点を置いて解説してある感じですね。
ディーゼルはなぜ燃費がいいか?などという基本的なことから、HCCIまで書いてあります。
個人的には圧縮比の設定のところがもっとも参考になりました。熱機関はサイクルの特性から、圧縮比が高いほど理論熱効率がよくなります。しかし実際のエンジンでは冷却損失をはじめとする損失があるから単純にそうとは言えないということが良くわかりました。
モーターファンイラストレイテッドを読んでいると、ガソリンエンジンでは「圧縮比を上げられた」と良く書いてあります。これは良い設計で高圧縮比を達成できたという意味で、自然に受け入れられます。しかし、ディーゼルでは反対に「圧縮比を下げられた」というフレーズが良く出てきます。圧縮比を下げたら効率がさがるのになぜ「下げる」ことが偉いのか不思議に思っていましたが、この本で解決しました。まあ詳細は読んでください。
あとはプリウスのエンジンについても面白かったです。プリウスのエンジンはミラーサイクルのパクリですし、はっきり言ってエンジンに特別なテクノロジーはありません。しかしプリウスの本質は決してモーターではなく、エンジンにあります。正確に言うとエンジンの制御です。エンジンの低燃料消費率な条件を使い尽くす設定になっている(というかモーターの助けを借りてそれを現実的に実行できた)というところです。
ガソリンエンジンは低回転かつ高トルク時に効率が良好ですが、通常のガソリン車ではそういうところばかり使うのは現実的ではありません。でもプリウス式ハイブリッドならかなり可能です。しかも現行プリウスは常時ストイキ燃焼なので、その意味でもすばらしいです。
途中に入っているコラムも結構面白いです。
ヨーロッパのガソリンのオクタン価のことも書いてありました。96オクタンが標準らしいですが、日本ではレギュラーとハイオクの中間ですな。ということは全てハイオク仕様にせざるを得ないというのがわかります。ケイマンの指定燃料で、オクタン価でRONとMONの平均が95以上と書いてあった意味がはじめてわかりました。バイオガソリンとしてETBE混入のガソリンならオクタン価を上げられるので、良いタイミングだったのにと悔やんでいます。結構このあたりの裏話が興味深いです。ちなみにエタノール直接混合ではどうなんでしょうね。オクタン価はやっぱりあがるんでしょうか。低級アルコールのオクタン価が高いことは有名ですが、混合でも同じことが起こるのかどうか知りたいです。
例によってつらつら書いてきましたが、イラストも綺麗ですし読んでいて非常に参考になります。モーターファンイラストレイテッドを読んで意味がわかり、そして面白いと感じる人ならお勧めできます。
2010-01-09 00:59
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へ~
ディーゼルでは圧縮比を下げる方向を目指してるんですか。
はじめて知りました。
by フラット (2010-03-31 22:04)