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GT-R(2013モデル)試乗 [GT-R]

ケイマンをそろそろ買い換えたいと思い、いろいろ検討しています。一番は次期ケイマン(981)ですが、GT-Rにも魅力を感じます。しかし、試乗もせずに1000万円級の買い物をするほど度胸もお金もありませんので、GT-Rの試乗をしてきました。

日産のテストコースでの試乗会です。もちろんGT-Rの試乗がメインですが、それよりもうわさの「水野節」のほうが面白かったです。

スイッチの多いステアリングです。
GTR1.JPG



試乗した感想としては「レーシングカー」でした。スポーツカーなのかどうかは乗ってもよくわかりませんでしたが、(クルマとしては)異次元のGを感じました。気分が悪くなるほどです。

ただ試乗して、むしろ買う気がうせました。次に何を買うかは次期ケイマン(981)に乗ってみてから考えます。

(ちなみに、ここから先は好き勝手書いています。あくまで素人の感想なので、気に障るような人がいればすみません。)

GT-Rについては2007年に発売されてからいろいろ雑誌等に取り上げられています。誰がなんと言おうと、パフォーマンスに関しては世界最高峰だと思いますし、そこにコストを取り入れて、コストあたりのパフォーマンスという点で評価したらぶっちぎりの世界一でしょう。
そういうわけで、GT-Rが速いとか遅いとかいう議論は意味がないです。速いに決まっているし、実際に乗ってみましたが、やっぱり凄いクルマであることは間違いないです。

ただ私が求めるのは「仕事で疲れて夜中に帰ったときに、そのあたりのバイパスをゆったり流したり、カーブをすいーっと曲がったりしたときに、ワクワクする感じがする。そして仕事の疲れが取れ、次の日からまた仕事をがんばれるような気がする。」クルマです。
ケイマンにはまさにそれがあります。とくに初めて試乗したときに「ずっと乗っていたような気がする不思議な感触」というのがありました。あの不思議な感触に関しては今でも忘れません。そしてまったく迷うことなく指名買いしましたが、後悔していません。そして今だにワクワクするいいクルマです。

今日乗ってみましたが、GT-R(2013モデル)にその感触があるのかどうか、いまひとつ確信が持てませんでした。




まずはGT-RのWeb Pageを載せておきます。
http://www.nissan.co.jp/GT-R/

なお、この試乗会は日産が主催しており、今回はグランドライブ追浜(横須賀)で開催されました。田舎でハイパフォーマンスセンター(NHPC)が近くにないので、150kmかなたのNHPCに電話をして予約を取ってもらいました。

こんな感じでwebに掲載されていました。
GTR5.JPG

飛行機で羽田まで行き、京急を乗り継いで追浜駅まで行きました。そこからはタクシーで日産の工場というかテストコース(グランドライブ、併設)まで行きました。



なお、わたしは2007年の初期型のGT-Rには乗ったことがあります。友達が持っていたので、かなり自由に乗らせてもらい、「乗せられている感じ」を強くうけたのを良く覚えています。その後はまったく乗ったことはありません。


私は服装には興味がないので、上から下までユニクロです。自分で言うのもなんですが服のセンスもありませんので、いつも適当な格好です。もちろん今日もそのような格好でしたが、ちょっと浮き気味でした。セレブ風な人が多かったような気がします。


試乗会の最初は水野和敏氏(開発責任者)のプレゼンです。雑誌などで「水野節」といわれていましたが、よく意味がわかりました。結構ノリノリで話をする人ですね。

「日本に誇りを持っている」
「マスコミ嫌い?」 ロクでもない週刊誌、とかわけのわかっていないジャーナリスト、とか結構激しい言葉でメディアを攻撃?していました。その点については趣旨と意味が良くわかりませんでしたが、あまり好きではないようです。
「時計好き」 時計好きのようです。カシオのオシアナス(中身はGショックのやや高級ライン)をしているらしいですが、機械時計も好きらしい。業界?では有名なバーゼルワールドなどのことも口走っていました。

ただし、途中で「はて?」と思うこともありました。カーボンうんぬんのくだりで、CFRPは鉄より剛性が低い?とかいうのはどうかと思います。比剛性ではまったく勝負にならないし、絶対的な剛性値でも低いことはないでしょう。それに鮎つりの竿がCFRPになったのは高弾性率だからであって、内部損失が高いだけではないと思いました。まあ自分は専門家でないので、なんともいえませんが、熱い人ですね。

しかし、以前と比べて一気に歳をとった感じがしますし、実際にみるとかなりやせています。体調は大丈夫なんでしょうか、少し心配になるような感じがしました。



この一番右の白いのに乗りました。たぶんプレミアムエディション? 動力性能の差はないのでグレードの差は試乗では関係ないかもしれません。
GTR2.JPG

それでは試乗です。横に開発担当者(エンジン担当だそうです)が乗ってくれました。適切なのかどうかわかりませんが、比較の対象に自分の乗っているケイマン(987前期モデル、2.7L、MT)を持ってきます。


まずはローンチコントロールですが、タイヤが温まっていなかったようで、最初の一瞬のタイヤの空転が気になりました。しかし、1秒後くらいからの加速はハンパではありません。タイヤが温まっていれば、最初からGがかかり続けるのでしょう。自分の試乗のときは0-100km/hが2秒台というのは出ていないと感じました。
「脳みそが後ろに寄る」とどこかに書いてありましたが、まさにそんな感じです。少し気分が悪くなる感じでしたが、ハヤブサのフル加速と同じくらいではあります。ハヤブサの加速も狂気の加速ですが、同じような感じです。
エンジンのフィーリングとかそういうのが問題にならないほど速く、これ以上は意味がないと思うのも同じです。
ちなみに、隣の開発者から「よく踏みきれましたね」といわれましたが、ハヤブサのフル加速と比べると緊張感はたいしたことはありません。まあなにも起こらないだろうというのがわかっているので、単に踏みつけるだけです。Gも飛行機のアクロとくらべてたいしたことはないとはいえます。

ブレーキもガツーンと止まりますが、これはタイヤの温まったケイマンと同じくらいに感じました。しかし、ケイマンはMRなので沈み込むようにとまりますが、GT-Rもノーズダイブする感じがまったくないのが不思議です。後述しますが、GT-RというクルマはタテGでもヨコGでもまったく荷重移動がない感じがする不思議な車です。

ちなみにカーボンブレーキも展示されていました。めちゃくちゃサイズが大きいです。
GTR3.JPG


加速および減速も凄いですが、GT-Rが本当に凄いと思うのは「路面への粘着感」です。
スラロームやそれなりのきついコーナーでも、ステアリングを切ればどこまでも反応する感じです。姿勢変化がまったくないように感じ、路面に磁石で引っ付いているような感じで向きが変わっていきます。そして、その感じが速度域、舵角が違ってもずっと続きます。ステアリングを切ればかならずキッチリと曲がります。絶大な信頼感がありますね。

50km/hでスラロームをしましたが、結構パイロンの幅が狭いにもかかわらず、キッチリクルマがついてきます。アクセル操作なしでハンドルだけで向きが変わるのは、ちょっと不思議な感じです。普通のクルマでは荷重移動が必須なのだと思いますが、そんなものが必要ない感じでどこまでも曲がります。この感触は他の車では味わったことがありません。
このあたりはケイマンとはまったく違います。ケイマンはそこまでの粘着感はありません。ただし、操作している感じというのはケイマンのほうが良く伝わってきます。


また、外からみると大きなクルマですが、実際に乗っているとあまりにも思い通りに動くため、車の大きさをまったく感じません。ケイマンも乗ると小さく感じるクルマですが、ケイマンは実際に小さい車なので、そのギャップはGT-Rのほうがはるかに大きい感じです。


なおエンジンの音はあまり良くありません。というかエンジンの存在感がほとんどありません。とてつもなく速いのですが、高揚するサウンドとか、ワクワクするようなエンジンのフィーリングというようなものはありません。というか、感じません。このエンジンの存在感のなさは不思議な感じです。ちなみにトランスミッションの存在感もありません。いわゆるスポーツカーで、ここまでパワートレーンの存在感がないクルマは初めてです。速すぎて感じる暇もないのかもしれませんが。
ちなみに、隣に座っているエンジンの開発担当者に「音のチューニングしていますか」と聞いていましたが、まったくしていないそうです。まあそれもわかるような気がします。


乗り心地はかなり良いです。2007年モデルの乗り心地はいまひとつでしたが、2013年モデルに関しては問題ないです。荒れた路面なども走りましたが、特に日常使いで問題になりそうな感じではなかったです。ボディの剛性感は凄いです。やっぱり戦車のようですね。


車庫入れ(のシミュレーション)をしたいと頼んだのですが、それはムリでした。微速領域での取り回しや最小回転半径は実際に日常で使うなら大切ですが、そういうのを確かめる車両と場所を作るべきです。あとは、狭いところでの乗降のしやすさも確認したかったですが、そういうのもムリでした。




自分での試乗では、そんなにスピードは出せないのですが、次は開発ドライバーによるデモンストレーションです。ヘルメットをかぶり、助手席に乗せてもらって疾走してもらいました。

まあ凄いGです。横Gと縦Gのオンパレードでした。いままでに体験したことのないレベルのGがずっと続きます。信じられないほどです。速度もかなり出ていたようでしたが、どのくらいかはよくわかりませんでした。たぶん200km/h以上でしょう。

横に乗っていて思ったのですが、サーキットでそのような高G領域で、達人が乗るとGT-Rは楽しいのかもしれません。
あまりにもスタビリティが高いため、普通の速度では安定していて何も起こらないクルマのように感じましたが、その時は信じられないような横Gがかかりながらも、フロントとリヤがきれいにスライドしつつ挙動が乱れないのは、横に乗っている自分でも感じました。
乗っているのがプロだからなのか、GT-Rが凄いのか良くわかりませんが、両方なのではないかと思いました。
ちなみに1分くらいでしたが、それで気分が悪くなるほどのGでした。これよりGが凄かったのは、アメリカで体験したアクロバット(エクストラ300)と空中戦もどきをしたときだけです。

「すごい」という感想も多かったようですが、「気分が悪くなった」という感想も多かったみたいです。まあ確かにわかるような気がします。



短いプログラムでしたが、いろいろな意味でGT-Rのすごさを味わいました。「凄いか凄くないか」という観点かでいえば、「とてつもなく凄い」です。性能に関してはまったく文句ありません。

ただし、繰り返しますが乗って楽しいかというと別で、地元に帰って空港からケイマンで自宅に帰るときに、「やっぱりケイマンはいい車」と実感しました。走っている途中にクラッチを踏んで、レッドゾーンまでエンジンを空ぶかしした時の音やフィーリングは、何回やっても飽きません。


GT-Rは高性能車であり、速く走るためのクルマです。それは明らかに成功していますが、自分で欲しいかというと微妙な感じでした。

GT-Rの試乗をして、なんとなく自分の求めるものとは違う気がしてきました。新型ケイマンとボクスター(981)に乗ってみて「ワクワクする」方を買おうと思います。


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