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ケイマン売却 [ケイマン]

6年間乗ったケイマンを手放しました。6年というのは自分としては長い方です。いろいろ店をまわって値段のよいところを探し、結局ガリバーに売りました。

ケイマンはとても良い車でした。仕事でぐったりした時に乗ると、活力がわいてくるような不思議な車でした。たまにワインディングを走ると、何年たってもワクワクする感覚が衰えることはなかったです。

これが手放す直前の画像です。かなりきれいです。
cayman_last.jpg



私のケイマンは2007年式 987前期型で右ハンドル(RHD)のMTです。RHDのMTは非常に少なく、かなりのレア車でしょう。買った当時はよく使っていた駐車場のゲートの関係で右ハンドルしか選択肢がありませんでした。また、当時のATはトルコンATでかったるいことおびただしく、一度試乗してMTしかないと決心しました。

そういうことで2006年に右ハンドルのMTで注文したことを昨日のことのように思い出します。当然在庫車はなく、本国発注になりました。さらに、当時はリーマンショック前で景気が良いころでした。発注してもなかなか納期が確定せず、結局15か月待つことになりました。フェラーリではありませんし、本国発注でも通常ここまで待つことは珍しいらしいです。

RHDのMTというのは決めていましたが、生産に入る直前まで色やオプションは決めておらず、ディーラーの人に「早く決めてください」とせかされたのを覚えています。
また数か月後にフィンランド(987ケイマンは全車フィンランド製)で完成した時に、1か月ほどかけて日本に来ると聞いて「100万円出してくれたら空輸します。」、と冗談だかマジだがかわからないことも言われました。もちろんそんなバカバカしいことはしませんでしたが、当時に車を地球1/3週させるのに100万円しかかからないのか?と思った覚えがあります。



RHDのMTのケイマンが日本に何台あるかは知りませんが、数万台というようなレベルでは絶対にありません。数千台でもないと思います。おそらく数百台レベルだと思います。少なくとも、RHDのMTのケイマンに乗っている知り合いはいません。カーセンサーなどの中古で検索しても、たまにしか見ません。

987前期のポート噴射2.7L、987後期のポート噴射2.9L、981の直噴2.7Lと、ケイマンのベースグレードは3世代すべてに(試乗ですが)乗りましたが、自分の987前期2.7Lが最もフィーリングが官能的だったような気がします。
言い方を変えればダントツで一番うるさく、快適でなかったともいえるのですが、吹け上がり感がスッキリしていた印象があります。(保有効果ということで、自分のものが一番いいと思いたかったのかもしれませんが)

いずれにしても、新型ケイマンに買い換えたいという気に最後までならなかったのは事実です。手放してからいうのもなんですが、ケイマンの2.7L MTは素晴らしくバランスの良い車でした。
出力は今となっては低い245PSでパワーはありませんでしたが、ゆっくりしか加速しないので回転フィーリングも楽しむことができます。そして、ワインディングではこれ以上に楽しい車はないのではないかと思います。MTなのでダイレクトに姿勢がコントロールでき、ワインディングではパワーは全く過不足ありません。そして、高いボディ剛性のおかげか高速道路では非常にフラットで乗り心地も良かったです。

ポルシェは「ハンドリングが良い」とか「運転して楽しい」とかいろいろ評価は聞きます。911やボクスターなどにはきっちり乗ったことがないのでわかりませんが、少なくとも987ケイマンではその通りでした。「どこがどう良いのか」と言われるとなかなか表現が難しいのですが、簡単にいうと「挙動が信頼できる」ということです。どんな状況でも次に車がどう動くのかが常に予測できる(ような気がする)のです。
これはタイヤ、サスペンション、ステアリングシステム、それからPSM(ポルシェ版ESC、スタビリティシステム)などのすべてが総合して出ている味なのだと思いますが、限界近くまですぐ近づける気がします。

いつかモーターファンイラストレイテッドで、国政氏の印象的なコメントを見たことがあります。それは「なぜかはわからないが、サーキットで1週目の1コーナーから限界で攻められる車と、そうではない車がある。」というコメントでした。
実際にどうなのかはわかりませんが、ケイマンには同じことを感じました。2.7Lの試乗で山道を攻めまくったことを覚えています。初めて乗ったにもかかわらず、あまりにも車が自由に動くことに感動しましたが、あの感触はいまでも忘れません。






結局、633万円+オプション120万円で買った車をでしたが、かなりの高値で売れました。自分で言うのもなんですがかなりきれいだったので、満足な値段でした。


これまで何台も車は買ってきましたが、ケイマンは最後まで買ったことを後悔しませんでした。いつ乗っても「よいクルマだなあ」という満足感が持続したのは奇跡です。

売るときに、これまでの思い出が走馬灯のようによみがえってきました。新車を納車してもらい、すぐに友達と慣らしを兼ねて100㎞先のレストランに食事に行ったこと。トンネルのなかで全開にしたこと。狭い駐車場で降りるのに四苦八苦したこと。この車で知り合いになったたくさんの人。そのようないろいろなことが思い出されて悲しい気持ちになります。

車を趣味にしていない人にはわからないと思いますが、車はただの工業製品ではありません。魂が宿っています。そして、その魂を感じることができる人に、次に乗ってもらいたいです。

でも、たぶんそんな気持ちは次の車が来たら忘れるのでしょう。まあそういうものです。
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