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純正タイヤの特性について(ダンロップ) [GT-R]

GT-Rには、当然ですが純正タイヤが装着されています。2014モデルには、ダンロップの「SP SPORT MAXX GT 600 DSST CTT」が指定されています。

このタイヤはGT-Rに合わせて開発されたとのことですが、すごいタイヤであることは間違いありません。しかし、かなり極端なタイヤであるようにも思います。

今回はそのGT-Rのタイヤについて書いてみます。
一言で表現すると「乗り心地の良い、ドライ用Sタイヤ」ですね。

トレッドパターンはこちら。(某有名タイヤショップより)
DCCT.JPG



GT-Rのタイヤは、車体と一緒に開発されているそうです。タイヤは自動車の部品の中では最重要部品の一つであり、とくに走りを追及するときには車体と不可分でしょうから、当たり前のことかもしれません。
正確にはどうなっているのか知りませんが、巷では純正タイヤ以外では保証が効かないということなどが言われています。ポルシェなどでも似たようなことなので、GT-Rの売り方を考えると十分ありうる話でしょう。
ということで、普通は同じ純正タイヤを履き続けることになるのだと思いますが、その問題の純正タイヤについての評価をしたいと思います。

タイヤというのは、履く車によってかなり印象が違います。もちろんサイズによって内部構造などが違うこともありそうですし、空気圧や摩耗の程度によっても印象は当然異なります。そのため、タイヤの評価というのは、公平な評価が難しい製品ではあります。
しかし、そんなことを言っても仕方がないので、自分が感じた評価を書きます。ということで信じるも信じないも自己責任でお読みください。ただ私はメーカーとのつながりは一切ないただのエンドユーザーです。その意味で利益相反はありません。また、ポルシェ信者でもGT-Rの信者でもありません。




上述のとおり、2014モデルのGT-Rのタイヤは「ダンロップ:SP SPORT MAXX GT 600 DSST CTT」のみです。
詳しく後述しますが、このタイヤの街乗りでの最大の問題点は轍でのワンダリングです。どうもニッサンもそのあたりは弱点であると思っていたようで、2015モデルの改善点に挙がっています。

ニッサン ニュースリリース 2015モデルGT-R発表
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2014/_STORY/141125-01-j.html

タイヤ ・タイヤの材質や内部構造を見直すことで、路面追従性の向上とともに、轍などでもハンドルがとられにくくなり、走行時の安心感を高めました。また、併せて路面から受ける力も吸収し、乗り心地を向上させました。

ちなみにこの2015モデルでの改善点というのは、要するに2014モデル以前での問題点そのものです。逆説的ではありますが、GT-R(2014)の実用車として今一つなところは、このニュースリリースに凝縮されています。

GT-Rというのは、ある意味ニッサンの技術力のシンボル的なところもありますが、このような日常性改善のための改善というのは、普通に使う上ではもちろん正しい方向性です。

ただし、無い物ねだりであることは重々承知で書きますが、2013と2014モデルとの比較においてさえも、GT-Rの非日常性というのが、かなり少なくなっているのです。
2013モデルでも、ちょっと走っただけで「タダモノでない感」がヒシヒシと伝わるのですが、2014モデルは普通の車にかなり近づいています。とくに、曲がりに関しては、2013ではムリヤリ曲がっていく感じですが、2014ではちょっとロールしてから自然に曲がります。これが良いことなのかどうかは良くわかりませんが、普通のクルマに近づいたのは確かです。




ここからは2014の純正タイヤについて書きます。まず、冒頭にも記載した通り、本質的には「Sタイヤ」です。Sタイヤというのは、要するにセミレーシングタイヤです。

特性を簡単に表記すると以下のようになります。

グリップ:ドライでは信じられないほどグリップする
乗り心地:グリップから想像するよりははるかに良い
温度依存性:普通のタイヤよりは多い
ワンダリング:かなりあり

ここからは状況別に順番に書きます。

「グリップ」
ドライ:どこまでも曲がる。なかなかホイールスピンしない。しかも熱が入る前でもそれなりにグリップはする。

ウェット:
全然グリップしない。どこでもホイールスピンする。発進はもちろん、トルクバンドに入るだけでも滑る。

ヘビーウェット:
大雨の中で走ったことがないので不明。ただし、パターンからみて排水性が良いわけがないので、あまり速く走らないほうが無難でしょう。

スノー:
評価することが無意味ですが、一応書きます。
信じられないほどグリップしない。ちょっとでも踏むとホイールスピンでESCが介入しまくるため、全く進まず。

アイス:
不明
このタイヤでアイス上を走るのは、ほとんど自殺行為でしょう。


「乗り心地」
思ったよりは良い。ランフラットの硬さは感じるものの、ボディーの堅牢さのおかげかもしれないが、思ったよりは乗り心地は良い。ただし、100km/h以下ではダメです。それ以上であれば、結構フラットです。
まあ、いわゆるスポーツカーとしては十分許容範囲です。


「ワンダリング」
ワンダリングというのは、轍でステアリングが取られることです。乗り心地は問題ないと感じますが、これは結構不快です。
あるとき友人に運転を代わってもらいましたが、「まっすぐ走らないので気をつけて」とアドバイスしたものの、その意味が分かっていませんでした。しかし、乗るとすぐに意味が分かったようで、苦労していました。
ワンダリングはハイグリップタイヤの宿命かもしれませんが、GT-Rは街乗りで長時間乗ると疲れます。その疲れの最大の原因はこれかもしれません。高速道路ではまだましですが。
さらに外気温が零度くらいで寒いときの走り始めには、これがますますひどいです。その時には前輪のワンダリングもひどいですが、さらに後輪も同じことが起こります。その結果、左右に車全体が揺れて、「鯉のぼり」状態で直進します。こんなにひどいワンダリングを経験したのは初めてでしたが、そのうちタイヤが温まると少しましにはなります。
何とかならんのかと思いますが、これはタイヤを変えない限り何ともならないでしょうね。




以前ケイマンにつけていたのは、ミシュランのパイロットスポーツPS2と、グッドイヤーのイーグルF1アシメトリックでしたが、どちらもよいタイヤでした。とくにパイロットスポーツは素晴らしいタイヤであり、ドライグリップ、ウェットグリップ、乗り心地などのバランスが非常によく、これまで乗ったなかで最高のタイヤと感じました。

トータルバランスではパイロットスポーツとGT-Rの純正タイヤは比較になりませんが、そもそもカテゴリー自体が違うため、比較することに意味はないかもしれません。

それでもGT-Rの純正タイヤは、信じられないようなドライグリップと、それ以外の性能をまあまあ両立していると思います。GT-Rの狙うところからみて、総合的には並び立つもののないすばらしいタイヤであることは認めますが、もっとコンフォート寄りのタイヤを選択できるようにするべきだろうと思います。とくに、サーキット向けはニスモに任せればよいので、標準車はそういう選択肢もあってもよいように思います。

少なくとも自分のGT-Rに関しては、保証をなげうってタイヤを変えるしかないでしょう。一応純正以外のタイヤは出ていますが、選択はあまりありません。

Tire rackの一覧を転載してみます。
サイズは 255/40/R20 と 285/35/R20になります。

その一
GT-R_tire1.JPG

その二
GT-R_tire2.JPG


このなかで純正以外で有名なのは、ミシュランのパイロットスーパースポーツと、ハンコックのventus RS-3でしょうか。輸入すれば意外と安いので、どちらかを装着してみたいところです。しかし、何かあった時(パンク含む)のことを考えると、そこまで踏み切れないというのも実際のところです。

「みんから」では、RS-3を装着している例も結構あるみたいです。皆が同じことを考えるせいか、品薄らしいですが。



いろいろ書きましたが、それでもGT-Rの純正タイヤはすごいタイヤではあります。普通に使うこともできるセミレーシングタイヤと考えれば、文句をつけるのもお門違いかもしれません。




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