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ヘリ訓練 26回目(R66) [ヘリコプター]

訓練で乗る機種がしょっちゅう変わっており、節操がないような気もしますが、今回はロビンソンR66に乗りました。
一度練習したいとリクエストしていましたが、機体の都合がついたので乗ってきました。

二人乗りで燃料8割くらいでしたが、R44と比べてパワーに余裕があるのが印象的でした。スタートプロシージャーは全然違うものの、乗った感じはかなり似ています。

一番違うと思ったのは、当然ながらタービンエンジンなのでレスポンスが悪く、一気にコレクティブを上げた時にNR(というかN2)が落ちることです。R22やR44は、オートロとかではない限りNRは全く動きませんが、R66は負荷により少しNRが変動するのが印象的でした。


今日の機体はこちら。黄色で目立ちます。空中でも見えやすくて安全かもしれません。
R66_1.JPG



R66は遊覧で一度乗ったことがありますが、自分で操縦したのは初めてです。

R66に乗りたいということは以前からリクエストしており、可能ならタービン単発の限定も取りたいと思います。(とってどうするかという予定は特にになく、単に免許を取りたいというだけのこと。)
限定追加だけなら試験科目も少なく、20時間ほど練習すればいけるのではないかとのことでした。まあ、趣味なので例によってぼちぼち検討です。

ロビンソンはWebにメンテナンスマニュアルもPOHも公開されているので、ダウンロードおよび印刷して読み込みます。パーツカタログもメンテナンスマニュアルも1000ページくらいありますが、構造の勉強の意味で参考になります。

まあ、まずはPOHを何回も何回も読みます。R44の丸写しではないかと思う場所も結構ありますが、やはり、エンジン関係とくに”Avoiding hot start”のところは全く違います。

Hot Startは、タービンエンジンの鬼門で、スタート時にタービンの温度が上がりすぎることです。
なお同じ文脈においてレシプロエンジンの鬼門は、始動時のオーバースピードです。なお、レシプロではホットスタートはあり得ません。そしてタービンではオーバースピードもほぼあり得ないでしょう。
そして共通するのは、程度がひどいとどちらも高価なパワープラントのオーバーホールになるということです。



ということで事前にyoutubeやPOHなどをみてたくさん勉強していきました。スタート手順はよく見るとR44と共通する部分もあるようです。

プリフライトチェックも教えてもらいましたが、これも結構R44と共通部分があります。
ただ、ロビンソンはR22が一番プリフライトがしやすいです。全てがむき出しですので、見ればわかります。
R44はカバーがついてかなり見難い。そしてR66はさらに見にくくなっている印象でした。

個人的な印象ですが、ロビンソン3兄弟ではR22が一番デザインがよく、R44、R66の順にバランスが崩れているように感じます。R22の完成度が高すぎるのでしょう。


ローターヘッドの点検のときに、機体によじ登るのですが、一歩目がこちら。
しかも丁寧に左足を掛けろとまで書いてあります。
R66_1st_step.JPG


そして二歩めがこちら。エンジンなども見えます。
R66_2nd_step.JPG


さらに三歩目
R66_dipstick.JPG

ここは、燃料キャップもあります。R44のようなひねるだけキャップではなく、きちんとロックされます。さらにカバーもあるため、キャップがとれてテールローターに当たるリスクは極めて低いのではないでしょうか。
そして、超アナログ計器「ディップスティック」があります。これ以上に信頼性の高い燃料計はないでしょう。タンクに直接漬けて見る棒ですが、C172などでは比較的一般的では? R44では自分は見たことないです。




ちなみに、カバーを開いたままにしておくゴムフックみたいなのもついています。
R66_lid_teher.JPG


こちらは、カバーのはしにあるスイッチです。リッドを開くと、エンジンオイルのリザーバーのサイトグラスと、ハイドロのリザーバーのサイトグラスのところに照明がつくようになっています。
R66_light switch.JPG

ロビンソンはこんなに丁寧なメーカーだったっけという感じがします。日本製ならわかりますが、アメリカ製にしては細かい・・・。




なお、エンジンはアリソン250(ジェットレンジャー、MD500などのエンジン)の簡素化バージョンのRR300がついています。アリソン社がロールスロイスに買収されたため、一応ロールスロイス製ということになります。

ロールスロイスのマークがついているとなんとなく高級な感じがします(そのような気がする)
R66_RR.JPG




ということでフライトですが、まずはエンジンをかけるのがだいぶ違います。ホットスタートの恐怖で緊張します。

アリソン250の始動音は、もっとも美しい始動音と思います。RR300も動画等ではなかなかいい音と思いましたが、自分で始動するとなればホットスタートが気になって音を楽しむような余裕は全くありません。
まあ、とりあえずはスターターが回りっぱなしであれば、HotStartになりそうな時でも燃料さえ切れば問題ないはずです。

R66は厳密な意味ではFADECではないですが、スターターのボタンを一度押すと、N1が58%までは回りっぱなしになります。スイッチを押し続ける必要はありません。(というかスターターを止めるにはイグナイタスイッチを切るしかない。)
ハングスタートになったとしてもスターターを回しっぱなしが正常な手順なので、間違いが起こらないようになっているということです。

ということで、バッテリー電圧を確認後、N1が15%以上で加速を確認して燃料を入れます。そろそろ入れて点火し、MGTが上がっていくのを祈るように見る?感じでしょうか。
まあ、正常であればすぐにMGTは下がるようです。

なお、R66ではタービン温度はTITでもEGTでもなく、MGTでMeasured Gas Temperatureです。測定したガスの温度?というのが、なんだか微妙な言い回しです。


ちなみにMGTセンサーはこちら。ガスプロデューサータービン(2段)とパワータービン(2段)の間にあります。4個あってその平均らしい。反転型なので燃焼ガスは写真の左(後方)から右(前方)に流れます。
R66_MGT_sensor.JPG


操縦した感じは、かなりR44と似ています。ただ、パワーの余裕が全く違う感じでした。トルク83%がMCPですが、二人乗りだとそこまで必要ない感じでした。100%(TOP)などいつ使うのかという感じでした。ただ、MCP以上では速度が65ktに制限されるため、実際には上昇中だけということになるでしょう。

そしてIGEホバリング高度のチャートなどは2700lbの上限などではともかく、軽い時は事実上制限なし?という感じです。相当パワーに余裕がある感じでした。R44とも違うし、R22に至っては全然違う感じです。

コレクティブをぐっと上げた時の上昇率はR44と全然違いました。しかし、今回飛んだところは電線が多く気が散ります。しかし、R66ならいつでも上昇できるという心の余裕があり、すこしラクです。


ただし、前記のようにタービンなのでレスポンスが悪いです。コレクティブの操作も直接コンピューターにも入力されるようですが、基本的には負荷が増えた時に燃料を増やしてN1がアップし、その後N2のトルクが上昇するという感じになります。
そのためゴーアラウンドでコレクティブを一気に上げたらNRが落ちていました。LowRPMホーンは鳴っていませんが、数%程度の低下がおきていてR44では見たことがない感じでした。
まあ、そもそもヘリでコレクティブを急に上げること自体に問題があります。先を予測してゆっくりとじんわりと上げるので間に合うはずなのです。

まあ、R44のようにコレクティブ(というかスロットル)にガバナーの動きが伝わってくることもないし(あるわけない)、全体的にエンジンの操作にたいしては「グンニャリ」反応する感じです。R44のような硬質な感じはないものの、明らかにパワー自体はあります。


曲げる感じなどはあまり変わりません。速度による姿勢のつくり方もほとんど違いは感じませんでした。


なお、アンチアイスとキャビンヒートはいずれもブリードエアを使用しています。エンジン空気取り入れ口のアンチアイスは、ブリードエア使用は当然で仕方ないと思いますが、いずれも使用するとトルクが少し下がり、MGTが上昇します。当然すこしだけ燃費も低下するでしょう。
R44のキャビンヒーターは排気熱式であり燃費にはまったく響かない構造なので、心情的にR66はヒーターが使いにくいかもしれません。




いろいろ書きましたが、始動などは除きR44に乗れたらR66はとりあえず飛ばせるような感じでした。そして、これはR22とR44の関係でも同じことを言われています。ということはR22で初期訓練すればロビンソンの機体はすべて乗れるのか?


ちなみに、R66は燃料コストはR44より低い?らしい。燃料消費は1.5倍ですが、燃料の価格がそれ以上に低いようです。R66は航続距離も長く、お徳ヘリ?なのかもしれません。

またR66でも訓練しますが、そもそもR44でもR66でも大してアプローチの操作などは変わらない印象なので、ヘリ自体の操縦の訓練を引き続き続けます。
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