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ポルシェ用?エンジンオイル解説 [ケイマン]

これまで乗っていた981ケイマンは、1年に一度自分でオイル交換を行っていました。ポルシェのA40認証を取っているワコーズの4CT-Sを選択して、いろいろ面倒でしたが自分で交換していました。

しかしGTS4.0のオイルを自分で交換するかというと、アンダーカバーもついているみたいで、さすがに面倒になってきました。そもそもメンテナンスパックを購入したので、自分で交換する意味も乏しいです。
ただどなたかの役に立つと信じて、ポルシェおよび欧州車のオイルについて解説してみます。



まず、一般論としてオイルの規格について解説します。

日本(というかアメリカ?)の規格はAPIで、SLとかSNとかいうアレです。どちらかというと、省燃費や省資源ということに重点を置いている印象であり、エンジン保護というより燃費にフォーカスという感じを受けます。
ただし、最新のものはLSPI(Low Speed Pre-Ignition)やタイミングチェーン摩耗なども基準ができたみたいです。とくにSN PlusというのはLSPI対策を盛り込んでいるらしいです。


そして、欧州車用のオイル規格はACEA規格です。
ACEAはEuropean Automobile Manufacturers' Association のことらしいですが、略になっていないような?
ACEAは、A/B規格とC規格(Eもあるらしいが)で、乗用車用としてはA1/B1とかC3とかC4とかのようです。ACEA規格は日本ではあまりメジャーではないですが、ポルシェは欧州車なのでもろに関係します。そしてこれは、環境性能もさることながら、根本的には高負荷でのエンジン保護に重点があるようです。
やはり欧州では負荷が高いことを背景にしているのだろうと思いますね。


以下にACEA規格を理解するうえで必要な用語を一覧にします。
SAPS: Sulphated Ash, Phosphorus, Sulphur
HTHS: High Temperature High Shear Viscosity
DI: Direct Injection
DPF: Diesel Particle Filter
GPF: Gasoline Particle Filter

要するに、SAPSというのが排ガスに含まれる汚染物質で、HTHSというのが過酷な状況での潤滑能力です。とくにHTHSの試験は油温が150度らしいです。普通に走っていて油温が150度に達することはないように思いますが、マージンを取っているのでしょう。



ACEA規格は2021年版があるようで、一応公式WEBからの資料の本文をページ末に転記しておきます。

まずはカテゴリです。
A/Bが通常のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン
CがDPF/GPF付きのガソリンエンジン、ディーゼルエンジン
用です。(Eは商用車らしいです。)

C2 低SAPS 粘度低め
C3 中SAPS 粘度高め
C4 低SAPS 粘度高め
C5 中SAPS 粘度低め
C6 中SAPS 粘度低め ターボ直噴用?

というような感じのようです。もちろん、粘度は低いほど燃費はよいわけですので、粘度というのは燃費(の悪さ)と読み替えても、まあ間違いはなさそうです。
SAPSが汚染物であるにも関わらずこれまでなぜ添加されているかというと、これらの成分はエンジン保護と洗浄に有用であったためです。そのため、低SAPSかつ優秀なエンジン保護機能を両立するのは簡単ではないようです。

ということでAはエンジン保護には優れるが、GPFは詰まりやすいと思われます。これまではそもそもGPFがなかったので関係ありませんが、直噴およびとくに直噴ターボが欧州で主流になったため、ガソリンエンジンでもPMの問題が無視できなくなった、ということが背景にあります。

ま、要するにディーゼルエンジンはガソリンエンジンに近づき、ガソリンはディーゼルに近づきつつあるため、要求される性能が似てきたということでしょう。
ポート噴射のガソリンエンジンではPM(粒子状物質)は少なかったのですが、直噴になりスス(つまりPM)が増えたとのことです。これまではガソリンのPMは無視されてきましたが、いよいよ無視できなくなってGPF(DPFがディーゼルエンジンでの呼称)が必要となりました。


ちなみに、C4オイルは日本市場にはかなり少なく、探してもなかなかありません。国内での入手性が非常に悪いです。
なお、C4は粘度が高いため当然ながら燃費は悪くなります。ポルシェの燃費を議論しても仕方ないように思いますし、自分は全く気にはなりません。




なお、ポルシェの認証オイルというのもあります。これはポルシェが独自に認証しているもので、当然ディーラーでは認証オイルを使用しているでしょう。また保証などでも認証オイルの使用が要求されているのだと思いますが、詳細は不明です。
おそらくディーラーで使用しているオイルはMobil1でしょう。普通には売っていませんが、海外サイトには載っています。

これまでがA40規格で、981もこれでした。自分はワコーズの4CT-Sを使用していました。A40は結構いっぱいあり、探せばいくらでも手に入ります。なお、4CT-Sは製造中止みたいなので、ワコーズからはポルシェ認証オイルはなくなったはずです。

982 GTS4.0はC40規格のオイルが指定されています。GTS4.0は、日本では法規上必須ではないようですがGPFがついているらしいです。詳細は不明ですが、最近のポルシェは全部ついているらしい。そして、オイルはC40に統一だとか(詳細不明)

おそらくポルシェのC40はACEA C4(あるいはC3)に近いのではないかと思いますが、詳細はわかりません。ただしポルシェのC40オイルはほとんどなく、国内では非常に手に入りにくいです。GPF付きのポルシェはディーラーでオイル交換した方が良いのかもしれません。

まあ、C40オイルをいろいろ探してみる予定です。モチュールのものが認証オイルみたいなので、それを入れる予定です。ま、GTS4.0なら、C4のオイルを入れておけば、おそらく大きな問題はないでしょう。



適当にネットで検索したC40オイルを羅列してみます。

「Mobil 1 ESP X3 0W-40」
モービル1はこちら。ただし日本国内では売っていないでしょう。たぶんディーラーで使用しているのでは。ACEA C3で、APIでSN Plusです。


「MOTUL 8100 X-CLEAN GEN2 5W-40」
モチュールです。ネットとかでも普通に売っているよう。自分で交換するなら、入手性はこれが一番よいように思われます。なお、ACEAはC3です。APIはSNです。
自分で交換するならこれを買うしかないのか?


「Applostation Premium 5W-40 C3」
出光のプライベートブランド?です。しかし製油会社なので自分でつくっているのかも。
ACEAがC3でAPIはSNです。全部同じ?そして、驚きのポルシェC40適合です。そして粘度指数は199です。信じられない高さ・・・。
なお、5W-40にはA3/B4というのもあります。当然ながらACEA規格を商品名にしたものです。ちなみに、こちらもポルシェA40を取得しています。
出光のオイルを見たことがないのでわかりませんが、たぶん出光のガススタで買えるのではないでしょうか。そうだとすると入手性はきわめてよいことになります。
なお、さらに驚くことに、これは千葉県市原市のふるさと納税でもらえます・・。衝撃。


「Fuchs TITAN GT1 FLEX 3 SAE 5W-40」
これも認証オイルであるような。WebにはC40と記載してあります。
ACEAはC3で、APIはSNです。



<ACEA 2021>
【C1】
Category is withdrawn with these Oil Sequences.

【C2】
Stable, stay-in-grade engine oil with mid-SAPS Level, for aftertreatment system compatibility. Intended for use at
extended oil drain intervals in passenger car and light-duty gasoline & DI diesel engines designed for low viscosity
engine oils with a minimum HTHS Viscosity of 2.9 mPa?s.

【C3】
Stable, stay-in-grade engine oil with mid-SAPS Level, for aftertreatment system compatibility. Intended for use at
extended oil drain intervals in passenger car and light-duty gasoline & DI diesel engines designed for engine oils
with HTHS viscosity of minimum 3.5 mPa?s.

【C4】
Stable, stay-in-grade engine oil with low-SAPS Level, for aftertreatment system compatibility. Intended for use at
extended oil drain intervals in passenger car and light-duty gasoline & DI diesel engines designed for engine oils
with HTHS viscosity of minimum 3.5 mPa?s.

【C5】
Stable, stay-in-grade engine oil for improved fuel economy, with mid-SAPS Level, for aftertreatment system
compatibility. Intended for use at extended oil drain intervals in passenger car and light-duty gasoline & DI diesel
engines designed and OEM-approved for engine oils with HTHS viscosity of minimum 2.6 mPa?s.

【C6】
Stable, stay-in-grade engine oil for improved fuel economy, with mid-SAPS Level, for aftertreatment system
compatibility. Intended for use at extended oil drain intervals in passenger car and light-duty gasoline & DI diesel
engines designed and OEM-approved for engine oils with HTHS viscosity of minimum 2.6 mPa?s. Relative to C5
these engine oils provide also low speed pre-ignition- and wear protection for turbocharged gasoline DI engines as
well as turbocharger compressor deposit (TCCD) protection for modern DI diesel engines.




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