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「R35GT-R PerfectBook」紹介 [GT-R]

またGT-Rの紹介本が出ました。
これからどこまでGT-R関連の本が出るか楽しみですが、この本もなかなか良い本です。
紹介してみます。

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GT-Rが出てから少し時間が経っているせいか、この本は単なるスクープ本ではありません。GT-Rを多面的に評価しています。
最初は清水和夫氏の評価、そのあとはつくばサーキットなどでの横G計測、997ターボとのロングツーリング&慣らし、その後は開発の経緯、開発責任者水野氏のインタビュー、その後がメカニズム解説、最後が開発ドライバーなどのコメントといった構成になっています。

つまらない記事はなく全体を通して楽しめる構成だと思いますが、順番にコメントをしていきます。


清水和夫氏の記事は、単にGT-Rのハンドリングとか加速などといったことだけでなく、ドイツの文化論やドイツ車の開発法などといったことまで触れています。この記事はなかなか深みがある記事で面白いですね。
ちなみに997ターボの前輪荷重が少ないと言う欠点(RRである以上どうしようもない欠点)についても書いてあり、フロント荷重の増減が激しくコワイなどと書いてあります。私はニュルを走ったこともないし997ターボは見たこともありません。もちろんGT-Rも見たことしかないのでこの記事について評価することはできません。ただし、997ターボはパッケージが理論的におかしいので、納得はできます。

GT-Rの外観の紹介はいまさらと言う感じです。ちなみにラジエターコアサポートに「CARBON-FIBER COMPOSITE」と書いてあるのは笑いました。開発者の意気込みが強すぎて、いまどき珍しい「素材をデカデカと刻印する」ということになったのでしょう。ほほえましい感じです。
内装のデザインはいまひとつです。統一感がなく、特に運転席側の空調の吹き出し口の場所はいかがかと思います。
メーターは見やすそうです。速度計は針はあまり重要視していないのでしょうね。おそらく速度はデジタルメーターで表示されるのを見るのがメインになるのでしょう。(ちなみにポルシェもそうです。ケイマンでも速度計の針は見難い)

サーキット編は省略します。

GT-Rの慣らしは要するに丁寧にやれということでしょう。色々書いてありますが、オーナーでなければ関係ないかも。
それよりも997ターボの記事のほうが面白いです。別に私はポルシェ信者でないので997ターボの方がGT-Rよりすごいはずなどとはこれっぽっちも思いませんし、思いたいわけでもありません。どちらも知らないので比較しようがないです。しかし、997ターボには「性能において2倍はない。ただし2倍以上払っても良いと思わせるグッドテイスト」があるらしいですよ。ぜひ997ターボを思う存分走らせてみたくなりました。(かなわないでしょうけど)

開発ヒストリーと水野氏のインタビューは省略します。

メカニズム編ですが、エンジン、ボディストラクチャー、サス、ブレーキについては「GT-Rのすべて」と同じような感じなので省略します。
R35GT-Rにおける技術的ハイライトは「独立型トランスアクスル4WD」であると書いてありますが、まさにそうでしょう。前代未聞のレイアウトですが、これが重量配分など全てに効いてきていると思います。
なおエンジンからトランスミッションへのプロペラシャフトは東レ製のカーボンですが、前輪へのシャフトはスチールだそうです。コストか。
このメカニズム編もあまり新しい記事はなく、それほど興奮はしませんでした。

開発者のコメントもなかなか面白いですが、ここでは省略します。

最後におまけのようにGT-Rを製作している工場の話が出てきます。ここは最高です。面白い。
GT-Rを手作りで作ると3000万円級になるのが、ライン生産しているので800万円で売れるらしい。納得です。
しかし、要求される組み付け精度が高すぎてラインに入れるのが大変であったそうな。苦労がいろいろあったと書いてあります。またGT-RはV36セダン/クーペとラインが混流になっているみたいですが、ぜひその風景を見てみたいです。95%はライン上で作業が済むみたいですが、5%は逸脱してしまうとのこと。これがなければもっと安くできるでしょうね。
(ちなみにロビンソンR22というローエンドヘリコプターはまさに手作りでした。構造はとんでもなく簡単なくせに23万ドル(2500万くらい)もします。これも手作りだからでしょうか。)

またこの本にはDVDが付属しており、例の7分38秒54でニュルブルクリンクを周回したときの映像が入っています。すごい映像ですが、ドライバーがギリギリまで攻めており余裕がない、という感じに見えないのが印象的です。ぜひ見てみてください。

全体的にはとても面白い本でした。
GT-R自体が神話のようになっている存在ですし、メカニズムも面白いです。普通に紹介したらGT-R関係の本は面白くできちゃうのかもしれません。


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