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レクサスIS-F試乗 [クルマ関係]

やっとレクサスIS-Fの試乗に行きました。
トヨタとして初めて、BMWのM3とメルセデスCのAMGに真っ向から勝負する(はずの)モデルです。

結論から言うと、「あくまでトヨタのスポーツセダン」というふうに感じました。
車としてのデキは最高です。とてもよくできています。しかしそれでもなおかつトヨタ色を感じる車でした。


レクサスの公式サイトです。いろいろ説明がありますが、まあ要するにちょっとオシャレなトヨタのサイトです。
http://lexus.jp/models/isf/

Wikipediaです。通り一遍の解説です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%BBIS-F



もともと1月の下旬に試乗車が入るということは聞いていました。しかし、ある程度距離が伸びてなじんだ頃の方がよいかと思い、半月ほどたってから試乗に行ったわけです。

電話で予約をしてから行きましたが、土曜日の昼にもかかわらず、数人しか客がいないのが印象的でした。
ポルシェセンターも週末に全く客がいないことがよくありますが、レクサスも似たような感じなのかも。



まずはメーターパネルです。

見やすいメーターで、300km/hまでメーターが切ってあります。単なる演出か、あるいは生産台数が少ないことから全世界共通仕様で製造しているかですね。なんとなく両方の理由なような気がします。
驚いたのが、標準状態で油温計(多分)が真ん中に表示されていることです。さらにバッテリ電圧も表示されています。これまでのトヨタ車では考えられない配置ですね。

シフトまわりです。

普通です。使いやすい配置です。インパネもLSなどとほぼ同じ配置で、説明は不要です。わかりやすくすぐ使えます。



リヤです。

レクサスの伝統?である後方視界の悪さはIS-Fでもしっかり受け継がれています。写真がボケていて申し訳ありませんが、リアガラスの狭さはわかってもらえると思います。
実際に走っているとそんなに問題にはなりませんが、良いに越したことはありません。



それでは早速試乗にという感じで車を準備してもらいました。

これまで散々WEBや雑誌で写真を見ているわけです。その上で実車を見た感想を書くと、やはり「少し水ぶくれした」ような感じをうけます。エンジンルームが張り出したりしているのですが、全体的にそうなっているのではなくフロントだけ大きいのでバランス悪いかも。
2段タテに重なっているエキゾーストパイプも、意外と普通です。あまり見ない斬新なデザインというのは間違いありませんが、なんともいえない威圧感みたいなものはありません。

次に乗り込みます。
乗り込んだ感じはIS(IS350、以下同じ)とほぼ同じです。確かに少しだけバケットシートですが、大差はありません。またメーターが300kmメーターではありますが、全体としてあまり差はなくスペシャルモデルに乗っているという感じは受けません。
エンジンをスターターボタンで始動する以外はISと同じ感じですね。



それではいよいよ走り出します。
しずしずと一般道を進みます。アクセルを大して踏まずにゆっくり走っている時は、ハイパフォーマンスモデルの雰囲気は皆無です。メーターを180kmスケールにして、スターターボタンとパドルをなくしてしまったら、ISとの区別は付かないと思います。それほど普通です。別に過敏に加速するわけでもなく、ステアリングが重いわけでもなく、わだちでステアリングが取られたりすることもありません。いい意味で「普通」です。
ただし、ブレーキだけは一般道レベルではややカックンブレーキ気味かもしれません。まあ十分許容範囲です。

音も非常に静かです。エンジン音もほとんどしないという感じです。トヨタの高級車にあまり乗ったことがないのでわかりませんが、たぶんクラウンなんかと同じ感じなのでしょうか。

8速ATもほとんど存在がわかりません。ゆっくり走っている時はどんどんシフトアップしてゆき、一般道での巡航時は6か7速あたりにいつの間にか入っています。シフトショックはゼロです。いつ変速しているのかさっぱりわかりません。存在を意識しないという意味でよくできています。

乗り心地もよいです。やや硬めではありますが、不快な硬さではありません。十分許容範囲です。いわゆる昔のクラウン的なフワフワ感は皆無です。どっしり硬いといった感じでしょうか。乗り心地は良好だと感じました。

ちなみに、途中でファミリーレストランの横を通りましたが、客がじっとこちらを見ていたそうです。わかる人にはわかるスペシャルモデルのようですね。ある意味目立つ車かも。



一般道では普通さが際立っていましたが、いよいよ高速道路です。
料金所でシフトをMレンジに変えてフル加速しましたが、さすがに速いですね。さすが311KWだけはあります。ただし重量が1690kg(試乗時は3人乗車でしたのでもっと重い)あるせいか、思ったほどではなかったです。
エンジンはとても排気量が5Lあるとは思えない軽いまわり方をして速いのですが、スムーズに加速するため「加速感」は余りありません。はっきり言って加速「感」だけならケイマン2.7の方があります。
ただ実際の加速はすさまじいです。さらにこの車はいままで乗った車のなかでスピード感がない車No1です。ぬゆわkm/hは完全に常用域です。多分ふえわkmあたりでもラクに走れそうな感じをうけます。これは異次元の感覚でした。すごいです。

さらに、リミッターがあたる速度域でもハンドリングがリニアなままです。過敏でも鈍感でもないような適度にソフトな反応を維持します。加速は思ったとおりで印象にはあまり残りませんでしたが、この絶妙なハンドリングには感銘を受けました。これはよくできています。IS350はもともと過敏なハンドリングが速度が高い領域ではさらに過敏に感じるのですが、IS-Fはゆっくりでも高速でも結構ハンドリングはリニアに感じます。

なお、2速以上がフルロックアップというATですが、マニュアルモードでの変速もなかなかすばらしいです。瞬時に変速が終了するといって過言ではありません。もちろんシフトショックは来るのですが、スポーティな感じがします。

音については、4000rpm以上で豹変します。それまでは無音みたいな感じですが、それ以上だとグァーーンという感じの音が突然します。あまりにも変わるので印象に残りました。この変わりっぷりは一見の価値があります。是非試乗を。



全体としてとてもよくできている車という感想です。
踏めば速く、ハンドリングもリニアです。そして踏まなければ本当に普通の車です。ディーラーの人が「結婚式からサーキットまで行ける車」と言っていましたが確かにそう思います。

ただし、スペシャルモデルのオーラが足りません。
IS-Fは車としてはとてもよくできていることに異論はありませんが、ドライバーを高揚させる何かに欠けています。やっぱりトヨタ車だなあと感じてしまうのは否めません。



ディーラーの人が言っていましたが、最初は納期が1年8ヶ月くらいだったそうです。ただし最近は少し増産したそうで、1年強くらいだとか。
また発注の段階で色などを決めておく必要があり、実際の生産に入っていなくても色を変更したらまた最初から待ちなおしらしいです。ひどい話ではあります。ポルシェでも生産開始直前までオプションは待ってもらえます。
また、納期が1年以上と聞いて発注をやめる人がいるかどうか聞いてみましたが、ほとんどいないそうです。もともと長いことは有名ですし、あまりたくさん走っていても困ると言う感じの客が多いらしい。

また燃費ですが、大体5-6km/lくらいらしいです。試乗の時も5.5km/l位でした。排気量5Lなので自動車税も高いし、維持費は高そうです。(故障はしなさそうですが)



IS-Fは家族の手前4ドアセダンしか買えない(昔走り屋だった)お父さん?にはぴったりの車だと思います。

ケイマンは一番安い(部類の)ポルシェ車ですが、乗った瞬間からスポーカーだということをひしひしと感じます。またパワーはたいしたことありませんが、高回転の音は絶品ですし、非常に正確なハンドリングを持ちます。
もう少し年を取ったらIS-Fもいいのかもしれませんが、IS-FとケイマンS(ほぼ同じ値段)なら私はケイマンSを買います。

しかし、よくできた車であることは間違いないので、興味がある方は試乗されたらよいのではないでしょうか。とくに4000rpm以上でのエンジン音の変わりっぷりは体験する価値があります。


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