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アイMiEV試乗 [アイ(ガソリン)]

これまでアイMiEVについていろいろ書いてきましたが、やっと試乗に行ってきました。

試乗の感想を一言でいうと、「驚きの完成度」です。ガソリン版アイから乗り換えたときの違和感は非常に少ないです。事実上初めての量産電気自動車でありながら、これだけの完成度をたたき出すところに三菱の本気さを感じます。
メーカーもかなり自信を持っているようですし、雑誌でも絶賛に近い記事ばかりですが分かるような気がしました。

メーカーのページはこちらです。
http://www.ev-life.com/index.html

それでは細かい点について書いてみます。

こんな色でした。地味すぎです。("電気自動車体感中"の文字以外はまるで白黒写真です)
miev_side.jpg

まずはアイMiEVの試乗車があるディーラーを探しました。私の地域では一台が各ディーラーをぐるぐるまわっており、近くの店にある時を狙って試乗に行きました。いずれは営業車や試乗車として各ディーラーに1台は導入したいと言っていましたが、まだそこまで数が揃わないそうです。

スペック上の重量は1100kgで、ガソリン版のターボ2WD(910kg)と比べると200kg重いことになります。パワー(あまり意味はないですが)は47kwでガソリンターボと同じですが、実にどうでもよいスペックです。それよりはるかに大事なトルクは180N*Mです。ターボの最大トルク(3000/min時)のほぼ倍です。
まあ、これらの動力性能のスペックは大して重要ではありません。ガソリンと同じ尺度を当てはめてもあまり参考になりません。

それでは試乗して感じたことを書こうと思いますが、評価基準は自分の乗っているガソリン版アイ(ターボ4WD)にします。



まずは外観からですが、ガソリン版とほとんど同じです。見る人が見れば分かりますが、LEDヘッドライト、LEDテールライト以外の差はほとんどありません。よく見ると右側にある吸気口がフタになっているのが分かりますが、興味がない人にはまず分からないでしょう。

miev_right.jpg


LEDヘッドライトは少女漫画の”キラキラ眼”みたいです。”ウルウル眼”ともいえるかも。マッチしているかどうかはボディカラーによるでしょう。リヤのLEDテールライトは、非点灯時はクリアなので、むしろアクセントが無くなったとも思えます。

miev_front.jpg

アイ(とくにMiEV)は色によってかなり印象が異なる車です。この試乗車は色がシルバーでしたが、はっきり言ってアイMiEVにシルバーは似合わないと思います。アイは原色系のハデハデな色が似合いますし、ナンバープレートが黄色いので、特に黄色などは非常に良いと思います。あとは赤とか青とかもいいでしょうね。
自分で買うなら、北海道電力(中国電力でも)の黄色/白ツートンカラーがいいです。あるいは純正の赤/白ツートンもなかなか良いです。
アイ自体のデザインが完成されているので、それに手を加えたアイMiEVはやや装飾過剰という印象があります。どうせやるなら色だけでもとことんハデにやるべきですね。



乗った感じですが、ガソリン版と比べると異次元です。
いわゆるエンジンの振動やトランスミッションがないので実にスムーズです。またトルク感はガソリン版の比ではありません。車重は重いはずですが、全く重さを感じません。ガソリン版より軽いといわれても信じてしまいそうです。
ただ正直言って、もっと鋭いレスポンスを期待していたのですこし期待はずれでした。だからこそといいますか、ガソリン版のターボ+トルコンステップATと比べて違和感はほとんどありません。これは驚くべきことです。ほとんど違和感がないというのは相当にテストをしたということが示唆されます。レスポンスなどセッティングし放題だろうと思いますので、やろうと思えばどんなものでもできると思います。トルクももっと出せるでしょう。しかし、違和感がないようにセッティングしてきたところに三菱の技術を感じます。
急加速の時にはガソリン版はいきなりダウンシフトをしてエンジンの回転が一気に高まります。それからやっと加速を始めるので、タイムラグがあります。対照的にMiEVは瞬時に加速を始めるので気持ちいいです。

パワーは超低速域では次元が違います。しかし、ある程度車速が乗った状態からの中間加速はターボと同じくらいでしょうか。これはスペック上で想像されることと同じですが、ガソリン版はフル加速時は音がうるさく、苦しそうです。しかしMiEVは全くその感覚がないので、颯爽と加速する感じでスマートです。これはあくまで私の印象なのですが、ガソリン版に乗っている方は意味が分かると思います。

ガソリン版と一番違うのは静粛性ですね。停車時とか低速時は圧倒的に静かです。エンジンがないのだから当たり前ではありますが、すばらしすぎる。これに乗ったらアイドリングが存在する車には乗れなくなるような気がします。
ただアイ自体が結構風切り音がうるさい車ですが、ガソリン版で気になるのは100km/h以上くらいです。しかしMiEVでは60km/hくらいから気になり始めます。
実際のところ風切り音自体はMiEVの方が小さいのかもしれません。しかし他のノイズが圧倒的に少ないため、相対的に気になるのでしょう。あとはガソリン版ではタイヤのロードノイズは全く気になりませんが、MiEVだと気になります。人間とは贅沢なものですね・・。

あとは、ガソリン版はアイドリング時の振動が気になります。特に後席では気になるのですが、それが無いのは非常に快適です。ちなみにケイマンはエンジンの振動がとても少なく、高回転まで極めてスムーズに吹けあがります。特に路面の良い高速道路だとすべるように進む(滑空する感じ?)のですが、アイMiEVはそれに少し似ています。



乗り心地もガソリン版と比較してMiEVの圧勝です。ガソリン版も超ロングホイールベースのおかげで、フラット感を保ついいセッティングになっていると思いますが、MiEVは次元が違います。重量増と低重心化の影響もあると思いますが、相当フラットです。低速ではケイマンの領域を超えています。
さらに段差を乗り越えた時に起こるボディの振動もきわめて少ないです。ガソリン版はブルブル震える印象がありますが、MiEVにはありません。やはり電池の重量とバッテリーフレームの剛性が効いていそうです。

スラロームとか峠などで試していないのでハンドリングについてはよく分かりませんでした。しかし、ガソリン版の2WDでよく指摘される前輪荷重の不足は全く感じませんでした。

フルブレーキで姿勢が保たれるのはガソリン版と共通した美点です。ただし、そのような感じでタイヤに高負荷を掛けると、やや腰砕け傾向がありました。タイヤの銘柄とサイズはガソリン版と共通なのですが、200kg増えた車重にタイヤが負けている印象でした。タイヤサイズを少し上げても良いでしょうね。

ブレーキのサイズはガソリン版に加えて大型化されているはずですが、違いは全く感じませんでした。ちなみにブレーキのフィーリングも合格点です。油圧と回生を両方使っているはずですが、極低速時の挙動を含めて問題ありません。もしかしたら普通の状態では油圧ブレーキを全く使っていない?制動力のミックスの狭間の段付きなどがないか注意して乗りましたが、全くわかりませんでした。

フロントタイヤです。ちょっとブレーキが大きいらしいですが良くわかりません。
miev_f_tire.jpg

リヤです。ガソリン版と同じ感じです。
miev_r_tire.jpg



ここからはほかの場所の写真を掲載してみます。

見にくいと思いますが、フロア下のバッテリーフレームです。
miev_under.jpg


パワーパッケージです。急速充電器やコントローラーなども見えます。モーターは思ったより大きかったです。
miev_moter.jpg


フロントのトランク?です。ここはガソリン版とかなり似ています。鉛バッテリーも残っていますし、ブレーキブースターやABSのモジュレーターなども同じ感じです。またエジエターとコンデンサーの配置も同じです。(写真には写っていません。)
miev_food.jpg


トランクはこんな感じです。まあガソリンと同じですが、充電コードが積まれていました。
miev_code.jpg

前席です。シートの表皮が専用ですが、まあ他はほぼ同じです。
miev_inside1.jpg


後席です。シートベルトのバックルが自立型になっているのが私のとは違いますが、ガソリン版も現在のモデルは同じです。
miev_inside2.jpg


メーター周りです。タコメーターが出力モニターみたいになっていますが、他は大体同じです。航続距離メーターもあるはずですが、見るのを忘れていました。
miev_meter.jpg


ステアリングの下です。トレイが出来ています。ぜひ自分のにも付けたいです。なお、ガソリン版で給油口をあけるノブはきっちり電気のマークが付いています。
miev_steering_under.jpg


急速充電のコネクタです。かなりごつい感じです。
miev_charge_l.jpg


家庭電力での充電口のノブです。リモートで開けられる意味は無いような気がするので、ふたを手で開ければよいような気もします。
miev_charge_nob.jpg


こちらも充電口です。
miev_charge_r.jpg



いろいろ書いてきましたが、アイMiEVは良く出来ています。町乗りしかしないなら、現時点でも十分に実用的(というか多くの面でガソリンより優れている)だと思います。レスポンスの良い加速、静粛性など、新世代の車を十分に体感させてくれます。

ただ、そのあたりのことは文章や写真を見るより、乗ればすぐわかることですから乗ってみることをお勧めします。

ベストカーか何かで、バッテリーを減らして安くした”アイMiEVエコノミー?”とかいうのが企画されていると読みました。たとえば航続距離が半分になっても、そのあたりに買い物に行ったりするのに十分でしょう。そんなのがでればもっと売れるかもしれません。

バッテリーを減らせれば、生産台数がもっと増やせると思うのでちょうど良さそうですね。
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