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「航空戦史」 書評 [航空機全般]

自分の住んでいるところはかなりの田舎で、専門的な本を置くような本格的な本屋はありません。
そのため、定期的に都会?の本屋に出かけていますが、「航空戦史」という本がありました。

なにかの雑誌の特集をまとめた本のようですが、近代航空戦の分析などが掲載されており興味ぶかかかったので購入しましたが、今回はそれを紹介してみます。
当然ながら、内容は技術書というより歴史書ですが、政治的なことも多分に含まれています。

今回はこの本を紹介してみます。




この本は、「歴史群像」という雑誌の記事のまとめということですが、自分は歴史群像は古本屋でしか読んだことはありませんので、初見の記事ばかりでした。

歴史や政治的なことにも興味はありますが、自分の興味の本質は技術なので最も面白かったのは「沈頭鋲」の記事です。
「沈頭鋲」とは、施工後にでっぱりがないリベットのことですが、宮崎駿の幻想&美学を映像化した映画である「風立ちぬ」でなんの説明もなく使用された単語です。
基礎知識があれば意味が分かるでしょうが、意味が分からなかった人も多いのでは。ただ、あの映画は皆に理解してもらうつもりは明らかにないので、そのような”余計な”解説はありませんでした。


ほかには「レッドバロン」の章もよかったです。バイク屋ではありません。

一番良かったのは、「バトル・オブ・ブリテン」のところです。WW2のあの時期は、ドイツに比べてイギリスの空軍力は劣っていたはずですが、レーダーおよび目視警報ネットワーク等による効果的な航空管制によりなんとかドイツを撃退した、というのが一般的な理解です。と、このように自分も思っていましたが、そうでもなかったらしい。なかなか興味深いところです。

このあたりは、伝説的な航空機であるモノコックのスピットファイアより、実は鋼管布張りのハリケーンのほうがある意味活躍したなどというのもなかなか面白いです。

Wiki スピットファイア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3_%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%A2

Wiki ハリケーン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC_%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%B3



ハリケーンはエンジンもスピットファイアと同じマーリンエンジンですし、期待の前半分は金属製のモダンな構造になっています。しかし後ろは突然鋼管布張りです。

しかし、このような”古い”構造が高稼働率を支えたらしく、イギリスらしい潔い割り切りと思います。日本やドイツ人にはない感覚でしょう。このような実際的な設計が戦争に勝った一つの理由なのかもしれません。

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