フランクロビンソン逝く

自分はロビンソン以外のヘリにほとんど乗ったことはありません。
自分はまさに本日R66でタービン限定の免許を追加取得しましたが、これまでR22、R44、R66のすべてに乗ってきました。
140時間の飛行時間の全てをロビンソン機でフライトしましたが、ロビンソンはヘリ業界に革命をもたらしました。
ロビンソン社の創業者、フランクロビンソンは世界を変えた人であろうと思いますが、
2022/11/13に永眠されたとのことです。冥福をお祈りします。ロビンソン社からプレスリリースが出ています。勝手ながら翻訳します。だいぶ意訳です。

Torrance, CA (13 November 2022) — On November 12, 2022 Robinson Helicopter Company bid a final farewell to its founder, Frank Robinson. Robinson, 92, passed away peacefully at his Rolling Hills, California home.
カリフォルニア州トーランス　2022/11/13
2022/11/12　RHCは創業者のフランクロビンソンに最後の別れを告げた。　92歳でカリフォルニアの自宅で平和に逝った。

One of the most recognizable names in the helicopter industry, Frank Robinson was a pioneer, a man not driven by reward or accolades but by a vision that redefined the industry and forever changed general aviation.
フランクロビンソンは、ヘリ業界で最も著名な名前の一つである。名誉や賞のためではなく、業界を再構築するためのビジョンが彼を突き動かしてきた。そして、ジェネアビ業界を永遠に変えた。


Robinson will be remembered for the design and manufacture of the R22, R44, and R66 model helicopters. Known for their simplicity and reliability, the popular helicopters have a distinct profile and can be spotted easily and frequently all over the world.
ロビンソンはR22.R44.R66の設計者およおび製造者として記憶に残る。そしてその単純性と信頼性をもって、この人気のあるヘリは世界中で見られるようになった。


Robinson’s fascination with helicopters began in 1939, at age nine, when he saw a picture in the Seattle Post-Intelligencer of Igor Sikorsky hovering his VS-300 helicopter, an image that captivated Robinson and set the course for his life’s work.
ロビンソンのヘリへの傾倒は1939年、9歳の時から始まる。イゴールシコルスキーのVS300の写真を見てその後の人生が決まった。


He earned a BSME degree from the University of Washington, later attending Wichita State University’s graduate aeronautical engineering school. His career began in the late ‘50s with Cessna and continued through the ‘60s working for many leading aerospace companies, including Bell and Hughes. In 1973, at age forty-three, unable to interest any of his employers in the idea for a simple, personal helicopter, he resigned from his job at Hughes and founded Robinson Helicopter Company in his Palos Verdes, California home. Six years later, defying critics and overcoming enormous obstacles, Robinson was granted FAA certification for his two-place, piston powered R22 helicopter. The unknown helicopter company delivered its first production R22 in October 1979. By 1989, the R22 had gained a foothold in general aviation, opening a previously untapped market for private helicopter ownership.
工学の博士号をワシントン大学で取得し、その後ウィチタ州立大学の航空工学の大学院に進む。
50-60年代にセスナ、ヒューズ、ベルで働いた。1973年、43歳時に真のパーソナルヘリコプターを作るためにヒューズを辞め、自宅にRHCを設立した。6年後に数々の困難を超え、FAAからR22の認証を取得した。
1979年10月に、当時知られていなかった会社からR22が初めて出荷された。1989年にはジェネアビに確固たる地位をきづいた。そして、ヘリの所有を一般的にした。


In the early ‘90s, realizing the potential for a light mid-size helicopter, Robinson introduced the four-place piston powered R44. Orders for the R44 quickly piled-up and the company became a recognized player in the aviation industry. In 2010, Robinson once again expanded his line with the five-place, turbine powered R66.
90年代初頭に、軽から中型ヘリコプターの市場を認識し、4座のR44を発売した。発売後すぐに売り上げは伸び、ＲＨＣは航空業界で確実な地位を占めるようになった。そして2010年に5座のタービン駆動のＲ６６を発売した。

Robinson’s relentless determination earned him the respect of both colleagues and competitors. Affectionately called a rock star in certain aviation circles, Robinson retired in 2010 at age 80.
ロビンソンの容赦のない決定は、同僚や競合者から航空業界のロックスターと呼ばれた。
そして2010年に80歳で引退した。

＜勝手訳終了＞

---

上記の文章はいろいろな事が含まれていて非常に興味深いですが、個人的には”simplicity and reliability”というところにもっとも共感します。R44とR66は、少し客の要望に応える感じがあって少し違うように思いますが、R22は本当にシンプルで信頼性が高いです。
どこからみても”単純であること”を極限まで追求しており、道具としてはR44、R66に明らかに劣るのですが、設計としてはR22は最高に素晴らしいと思っています。

そして、フランクロビンソンの設計思想は、Ｒ２２からもっともにじみ出ています。そして、Cabri
G2はＲ２２の逆を走っており、どちらがよいのかどうかはわかりません。
ただ、個人的に信頼性をなによりも重んじることからすると、自分はＲ２２がすごいと思いますし、そしてある意味自分の人生を狂わせたのもＲ２２であろうと思います。

繰り返しですが、ご冥福をお祈りいたします。