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新型プリウス(30型)発売 [クルマ関係]

トヨタの新型プリウスが発売されました。発売前から大量の予約が入っていたそうですが、発売されてからはさらにバカ売れのようです。
まだ試乗に行っていないのですが、試乗車の距離が少し伸びた頃に試乗に行ってみようと思います。
というわけで実際に乗ったわけではありません。ただし、メカニズムがなかなか面白そうなのでそのあたりについて思ったことを書いてみます。

走行性能にかかわる部分は、基本的には先代からのキャリーオーバーのようです。排気量アップ、モーターの出力アップなどがされているようです。プリウスの弱点と言われ続けていた高速巡航の燃費改善を狙ったのでしょう。

話題の新型車が出たら、三栄書房より「??のすべて」という本が発行されます。このシリーズはメカニズムに関しての記述が詳しいので、メカ解説目的で買うならこれをお勧めします。

こちらです。




それではいろいろある変更点について書いてみます。
なお以下の記事はTHS(トヨタハイブリッドシステム)の構造をある程度知っていることを前提に書きます。THSは、簡単にいうとモーターとエンジンの動力の混合をプラネタリギアで行う構造となっており、シリーズハイブリッドでもパラレルハイブリッドでもありません。どちらかと言うとパラレルに近いのですが、コンバインドハイブリッド?などと新しい分類自体が作成されています。


・モーター出力アップ
モーターは高電圧をかけて大電流を流せば、出力は基本的に上げ放題(冷却の問題を無視すれば)だと思いますが、今回はリダクションギアを入れてモーターの回転数を上げたのがポイントのようです。そのおかげでパワーアップにもかかわらず軽量化できたのでしょう。
これも正常進化と言えると思います。あとは動力分割に使用するプラネタリギアの改良を行ってコンパクトにしたそうです。


・エンジン排気量アップ
先代はNZ系ブロックの1.5Lでしたが、今回のはZR系ブロックで1.8Lになりました。ボア、ストロークはほぼスクエアです。もっとロングストロークにしてもよさそうですが・・。排気量アップはあまり重量、コストには響かないと思います。
出力曲線を見ると、5500回転(rpm)くらいまで回るみたいですがまわしすぎでしょう。もっと低回転化して軽量化できそうです。
ハイブリッドはあくまでエンジン車なので、エンジンの効率はハイブリッドの生命線です。エンジンは燃費のスイートスポットが狭いので、いかにモーターを駆使してそこを使うかでしょう。
排気量拡大は(欧州での)高速巡航時の余裕を増加させるとともに、高速燃費を改善するためなのは明らかです。しかし日本の街乗りでは過剰かもしれません。


・アトキンソンサイクル
エンジンのサイクルです。ミラーサイクルもどきでしょうか。単に圧縮比<膨張比としただけです。初代から採用されていたので別に新しくありません。ひとひねりしたVVT-iという感じです。


・クールドEGFR
カタログでは"クール"EGR とかかれていますが、文法的には間違っており"クールド"EGRが正確でしょう。冷たいEGRというのは意味はわかりますが、違和感があります。
効果としては燃焼温度を下げることで冷却損失を軽減し、ポンピングロスを低減するという意味があるようです。最高出力時までストイキ燃焼ができるそうです。あとは比熱比が上昇するのでその意味でも熱効率が上がります。
これは最近のトラック用ディーゼルエンジンでは当たり前の装備です。詳しい説明はまだ見ていないのですが冷却水による冷却だろうと思います。そうとしたら排気熱回収システムという面もあるのかもしれません。


・電動ウォーターポンプ
BMWやミニではすでに採用されています。必要なときのみ電動で駆動するという仕組みで、燃費改善効果があるそうです。
これについては、高電圧を使用できるからモーターが小型化でき、その結果として採用できたのでしょう。ある意味当然の装備です。いつでも利用できる高電圧ソースがあるのだから採用は当然です。むしろ純エンジン車に採用したBMWがすごいです。


・排気熱回収システム
これもエスティマハイブリッドではすでに採用されています。ハイブリッドの弱点である暖房あるいは冷機時の燃費を改善できるらしいです。「モード燃費は改善しないが、実燃費には反映する良心の装備」と書かれていましたが、確かにそうかもしれません。これも冬の燃費改善に役立つでしょう。


・ソーラーパネル
定格出力59Wのソーラーパネルで室内の換気を行うというシステムだそうです。しかし、走行用バッテリーへの充電は全く行われません。またいわゆるサンルーフとのセットでオプション設定されており、価格は20万円です。換気もいいですが、どうせなら走行用バッテリーへの充電を可能にして欲しいです。
個人的にはサンルーフなどいらないので、屋根とトランク全面を太陽電池にして欲しいです。まあ、これもバッテリー容量が大きいプラグインハイブリッドが出たらそうなるでしょう。それなら20万円は納得ですが、現状ではいくらなんでも高いと思います。



個人的には旧型プリウスの最大の弱点は高速安定性です。
たとえば高速道路で140km/hくらいで走っていて何か物が落ちていたとします。そういうときにフルブレーキングしながらステアリングを切ってよけるという状況では、プリウスだとよけられる気がしません。そういうときにもケイマンなら車が信頼でき、よけられる気がします。これは実際に避けられるかどうかは問題ではありません。その領域でのハンドリングが信頼できるか否かです。
プリウスでは高速からのブレーキングはする気が起こりません。しかし緊急避難的に必要になるときもあるのですから、そのような性能は不要とはいえないはずです。もちろんこれは高速域の話であり、街中では全く問題になりませんが。

新型はそのようなところが改善されているらしいです。本当に改善されているのかどうかは自分で体験しないとなんともいえませんので、試乗して確認します。



新型プリウスにはメカニズム的には新しいトライがされていますが、正直言ってプラグインハイブリッド版(PHV)待ちだと思います。この手の電気駆動車は、常にバッテリーがキモになりますので、買うとしたら高性能なリチウムイオン電池搭載のプラグインバージョンです。現在のニッケル水素バージョンは買う気になりません。

うちは田舎ですので、駐車場の真横に家庭用コンセントがあります。今は100Vのコンセントしかありませんが、200Vを準備するとしてもすぐ可能です。通勤距離も5kmくらいなのでPHVならエンジンをかける必要もないです。しかし、ならアイ MiEVでもいいのではないかとも思いますが・・・。

プリウスのプラグインバージョンが高いといっても、アイの420万円よりは安いでしょうし、それくらいの値段なら許せます。
とりあえず現在のニッケル水素のままでもいいので、外部から電源を供給してエアコンでの空調、エンジン冷却水の加熱などをあらかじめ行う機能を付けて欲しいです。短距離の走行の繰り返しなら、それだけでも燃費が改善するはずです。
朝の出発30分前にスイッチでONにしておけば、出るときには快適です。走り出してからも初期の空調負荷も軽く、水温が高ければ燃費にもエミッションにも良いはずです。
とくに寒い地域では便利でしょう。現行プリウスでも、リモコンで3分だけエアコンが駆動できるのですから、技術的な問題は無いはずです。
是非そのような機能をつけて欲しいです。モード燃費は改善しないのですが、わかる人にはわかる意味のある機能でしょう。ぜひ欲しいですね。

まあ、現実的には付くとしたらプラグインバージョンでしょうか。あるいは次期プリウスでしょうか。次のプリウスは全車プラグインになるとおもうので、意味はありそうです。




新聞などでプリウスのことがいろいろ書いてありますが、記事には燃費のことばかり書いてあります。10・15モードが38km/Lなどと数字が一人歩きしています。
エコエコと世の中は騒がしいですが、エコロジーに反対する気は全くありません。しかし、CO2排出量を気にするならいっそのこと車は手放して、自転車で移動したほうが良いに決まっています。特に電動自転車なら5km程度は全く問題なく走れます。たまに車が必要ならレンタカーでも借りれば良いのではないでしょうか。

私が住んでいるところは田舎なので、車は絶対に必要です。渋滞もほとんどありませんし、走行距離もかなり長いほうです。そういうところではプリウスがいいと思いますが、大都会で週末だけしか乗らないような人がプリウスを買うのはいかがなものでしょうか。ほとんど車に乗らないのにプリウスに乗るというのは「ファッション」でしょう。

ファッションとして買うのは個人の自由ですので勝手ですが、エコというイメージだけが一人歩きしているのがなんとなくイヤです。日本の平均走行距離は年間8000kmらしいですが、これは休まず毎日20Km乗らないと届きません。週末しか乗らないなら、全部の週末に160km乗ってやっと到達する距離です。

プリウスは車としてはおもしろいですが、「エコ替え」というトヨタの売り方には大いなる欺瞞を感じます。youtubeで動画をしていたのでご覧ください。

「エコ替え」 オリジナルのCMです
http://www.youtube.com/watch?v=c58M2fXhzb4

「トヨタの「エコ替え」という大ウソについて質問してみた。」
http://www.youtube.com/watch?v=Tmjs51Chyi4

とくに二番目の動画に対する明確な答えをぜひ直接聞いてみたいものです。
エコなどという漠然とした言葉でなく、要するに「新車を買って欲しい」とはっきり言うべきですね。正直言って詐欺的なCMと言わざるを得ないと思います。そうでないというなら論理的かつ科学的な反論をすべきです。

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