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アイMiEV(マイナー後)試乗 [アイMiEV]

またレンタカーでアイMiEVを借りて乗ってみました。2009年に発売ですので、すでに時間はかなりたっています。いまさらな感じもありますが、マイナーチェンジ後のものに乗れたので感想を書いてみます。

さんざんいわれていることではありますが、電気自動車はやはり「航続距離」がネックになります。たぶんリーフでも事情は同じでしょう。

急速充電器で充電中です。
ai_miev2.JPG

これまでもアイMiEVの試乗は何回もしており、おそらく合計10時間くらいは乗っていると思います。ただし、マイナーチェンジ後のアイMiEVには初めて乗りました。また、普段はガソリン版アイに乗っているので、それとの比較も考慮にいれて書いてみたいと思います。

おきまりではありますが、まずはWikipediaを引用しておきます。

Wikipedia - 三菱 アイ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BBi

Wikipedia - 三菱 i-MiEV
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BBi-MiEV
2011/7にマイナーチェンジしており、このときに廉価版の「M」グレードができています。



今回試乗したアイMiEVはレンタカーです。2012/10月に納車されたそうで、グレードは「G」です。バッテリーが16KWhの上級グレードです。Gには急速充電コネクタも標準装備されています。

パワー感やトルク感についてはマイナーチェンジ前とあまり変わった感じはしません。一気にアクセルを踏み込んでも、一瞬のタメ感がありその後にじわっと加速を開始する感触は同じです。ガソリン的なマイルドなレスポンスであり、ディーゼルのように踏んだ瞬間に「ドンッ」とくるトルクを出してほしいですが、まあ一般向けとはいえると思います。

フル加速では「ヒュイーン」と加速しますが、加速感自体はガソリンターボのほうが強いです。まあ実際の加速度は同じくらいでしょう。

ハンドリングに関しては、今回はなぜか重さを感じました。重心は低いのでしょうがなにぶん電池が重いです。Gグレードは(いつも乗っている)4WDターボとくらべて100kg以上重いので当たり前かも知れません。念のためですが、前後方向に関しては重さはあまり感じません。左右に振ったときの動きがわずかに遅れる印象があるということです。

前と同じようにブレーキの容量が不足している感触はありますが、回生量が増えた関係か?そこまで今回は感じませんでした。ただし後述のようにフィーリングと効きの両面でガソリン版にかないません。ガソリンアイのブレーキのフィールはかなりいいと思いますが、比較したらかなり劣ります。

静粛性はすばらしいです。ただし人間はすぐ慣れてしまいます。すぐに、走っているとそんなに静かに感じなくなるのは贅沢ですね。ただし静かとは感じていなくても、車内で話をしたときには静かなことを実感します。明らかに声が聞き取りやすいです。


MiEVだけの変更点ではありませんが、ドアミラーが大型化されました。ちょっと大きすぎる気もします。
ai_miev5.JPG


後席のシートベルトのバックルが自立式になりました。これもガソリンアイと共通らしいです。
ai_miev4.JPG



やはり電気自動車は走る機械としては非常に優れています。それでもいくつか気になったところがあり、以下に挙げてみます。

1.航続距離
いまさらですね。GグレードはJC08モードでの航続距離は180kmになっています。しかし、フル充電でも残りの距離はいきなり120kmと表示されます。暖房をMAXで入れるとさらに減少して80kmです。(まったく動いていなくても) このあたりのことは後述します。


2.接近警報音
結構うるさいです。静かな時に鳴るので気になります。完全電動モードが可能なクルマ(プリウス含む)の場合、あまりに静かなため歩行者に気づかれないということがあり、警報音が鳴るようになっています。アイはおそらく30km/hあたりから低速側で鳴るようになっているようです。
この音が結構気になります。必要なのはわかるのですが、車内には必要ないわけですから、車内に聞こえないようにスピーカーの指向性を練ってほしいですね。実際には小さい音なのだと思いますが、電気自動車で低速で走っているときはとてつもなく静かですので気になります。

どうせならこんなのにしてほしい・・・。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12000852

Offスイッチも付いています。
ai_miev1.JPG


3.ブレーキフィーリング
アイMIEVはマイナーチェンジ後に回生ブレーキが強化されました。アクセルをただ戻しただけのときの制動力も高いようですし、ブレーキを少し踏んだときに回生ブレーキが強くなる制御も導入されています。
前者は問題ありませんが、問題は後者のブレーキ連動?の回生です。踏力が一定でも、減速Gが変動してじんわり減速Gが高まります。どう表現すればよいのか良くわかりませんが、まさにモーターか何かを(代わりに)加速しているような感じです。
ただ回生量自体は明らかに増えています。20km/hくらいまでは油圧ブレーキなしで十分減速できるくらいの減速度は出るようになっています。ここは明らかな改善点でしょう。実際に乗っているとフィーリングよりも回生で航続距離を稼げることのほうがはるかに重要とは思います。
それでも個人的にはブレーキフィーリングはきわめて大事だと思いますが、ここは明らかにガソリン版のほうが優れています。



4.電動負圧ポンプのノイズ
アイMiEVのブレーキは油圧式でガソリン版と同じです。ただし負圧がないので、これを電動ポンプで作っています。これの作動音が低速では気になります。例によってたいした音ではないですが、やはり静かなので気になります。ちなみにこのポンプはモータールームのなかに二重に防振されて設置されていますが、それでも音はします。


5.ヒーターの効きの悪さ
これは電気自動車の宿命的な弱点ですね。たった5kwしかなく、なんとなく寒いです。これは航続距離とも密接に関連しますので後述します。




乗るたびに思いますが、やはり電気自動車の弱点は「航続距離」につきます。そしてそれにダイレクトにひびく空調ですね。特にヒーターが問題になるでしょう。

某自動車評論家も書いていましたが、これを解決するのは燃焼式ヒーターかもしれません。なんだか本末転倒気味ではありますが、熱というクオリティの低いエネルギー形態であれば化石燃料のもつ莫大なエネルギーが有効に活用できます。ガソリンとリチウムイオン電池のエネルギー密度は、一桁か、もしかしたら2桁違います。

特にカセットボンベ式ヒーターがあるとよさそうです。ホンダはエネポや耕運機で採用しているようですが、入手性などから向いているように感じます。可能なら、それで熱電変換ができればさらに最高かもしれません。

以下に簡単に計算してみます(各種損失はすべて無視します)。カセットガスの内容物はブタンガスであり、ブタンガスの発熱量は42800KJ/kgです。またカセットガスの内容量はJISで250gとなっているようです。つまり、カセットガスの中には10700KJの熱量がある計算となります。1kWhが3600kJになるため、1kWで燃焼させた場合には約3時間燃焼できます。3kWの場合は1時間になります。
エネポみたいにボンベを2本設置にすれば、3KWでも2時間連続使用ができる計算となりそれなりに実用性はあるように思います。ボンベの予備を持ち運ぶのも簡単ですし、夏場にまったく使用しなくてもガスなので劣化も少ないように思います。取り外しも簡単ですしね。だれか作ってくれないでしょうか・・・。



まあ、どちらにしても自分が住んでいるような田舎では、電気自動車はまだ待ちですね。電気自動車なら、アイMIEVよりもミニキャブMiEVの方が良いように思います。航続距離の問題も表面化しにくく、空調の問題もアイよりは問題になりにくそうです。さらに、こき使えば導入コストの差も吸収しやすくなるでしょう。
店の配達などの業務用には良いと思いますね。三菱もアイMiEVよりはミニキャブMiEVに力を入れたほうがよい感じがしました。もっともっと売り込めばよいと思います。

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