水上機に乗りました「せとうちSeaplanes」 [航空機全般]
このたび水上機での遊覧をしてきました。いろいろな飛行機やヘリには乗ってきましたが、水上機には乗ったことはありません。
独特の感じがあり、離水する前は完全に船であることから、パイロットにも特殊な訓練が必要だろうと思いました。
とても楽しかったです。とくにパイロットといろいろな話をできたのがよかった。
紅の豚をみてワクワクする人はぜひ乗ってみることを勧めます。
機体はこちら Quest Kodiak100
機体はQuestのKodiak100+フロートです。ターボプロップの単発機です。
https://kodiak.aero/kodiak/
Wikipediaはこちら クエスト・コディアック
https://ja.wikipedia.org/wiki/クエスト_コディアック
運航会社のページはこちら。せとうちシープレーンズです。
https://setouchi-seaplanes.com/
なお、機体のKodiak100はクエストエアクラフト社の唯一の製品のようです。胴体がやや太い印象であり、セスナのキャラバンやツインオッターと同じような感じを受けます。STOL性をもち、条件が悪いところで荷物や人員輸送に使用する機体という印象でした。
上記のWikipediaによると、失速速度がフラップダウンで60ktということです。これは、空虚重量3800lbであることを考えるとかなり低いです。
実際に乗った時にも、STOL性はまじまじと感じました。離陸時に抵抗の大きい水上でさえもすぐ浮きます。また、もっと感じたのは着水で、着水するとあっという間に減速し、一瞬で船のようになります。体感したことのない独特の感じです。
ネットで調べて驚いたことは、常石グループはKodiak100を買っただけではなく、製造元のクエスト社ごと購入していることです。正確にはせとうちホールディングらしいですが、要するに常石造船ということでしょう。日本の造船業は青色吐息らしいですが、多角化の一環ということのようです。
ただ、純粋なビジネスともいえなさそうです。飛行機に相当の情熱を傾けていることは間違いなく、その意味で趣味?の要素もありそうです
遊覧飛行はネットで予約します。平日なので20000円/人であり、運航コストを考えると激安だろうとも思います。休日は少し高いですが、それでもまだ安いと感じます。
ちなみに、この遊覧飛行は富裕層向けサービスの一環という面があり、とてもおしゃれです。そのおしゃれさを象徴しているのがカウンターです。
このようなトンネル?的なものを通っていきます。非常に美しいです。
チェックインカウンターはこちら。
そして、普通の旅客機とちがうのが体重測定です。航空機にとって重心位置はとてつもなく大切です。下手をすると致命的になることもあり(とくに後ろに偏った場合)、このような小型機では個人差を無視できないため、体重を測定されます。(旅客機でも海兵隊員をたくさん乗せた旅客機で、体重が標準より重かったことが一因となって墜落した事故もあります・・・。)
ちなみに体重計はこちら。床に埋め込んであります。体重を測定するというと、ポケットの荷物などを出し始める人がいますが、そんなことをしてはいけません。別に純粋な体重などどうでもよく、単にウェイトアンドバランスが気になるだけでしょう。
待合室はこちら。なんだか異様に豪華です。
そして機体に到着です。(再掲)
セスナ172などに慣れていると、少し大きい感じもありますが、通常の旅客機とは比べるべくもありません。フロートはかなり大きい感じがしました。
クラムシェル型ドアから乗り込みます。下側はステップになっており合理的な構造です。
計器はグラスコクピットになっています。PFDが正面に見えます。このあたりは旅客機とそっくりな感じです。
PFDです。自分はずっとR22やR44およびセスナ172でアナログ計器に親しんできたので違和感がありますが、慣れるとこちらのほうがわかりやすいだろうと思います。
スロットルなどはセスナ(172など)に近いです。おそらくキャラバンも同じような感じではないでしょうか。
フロートにはタイヤが仕込んであり、陸上のふつうの飛行場にも着陸できます。電動の油圧操作系になっているそうですが、油圧が喪失した場合は手押しレバーでギアを下すことができるらしい。中央のレバーを150回ほど往復させると足がでるそうです。手動だと大変だということでした。
翼についているバックミラー?です。ランディングギアが目視できないため、それをビジュアルで確認するためのミラーがついています。原始的ですが確実でしょう。
STOL機の場合は高揚力装置は大切になりますが、スロッテッドフラップでした。スラットがついていたかどうかは見忘れましたが、あってもおかしくはないと思います。
フロートについている舵です。まるで船と同じです。
前縁に装着されている車輪です。ギアダウンすると前下方に伸びて固定されるようです。
ということで機体の紹介ばかりというのもどうかと思いますので上空からの景色です。有名な「鞆の浦」です。崖の上のポニョのモデルになった場所らしいですが、風情がありました。
帰りに寄りました。シンボル的になっている常夜灯です。
自分たちが降りたあとに、格納庫までフェリーされていきました。何とも言えない風情があります。
マリーナの全景です。
乗った感想ですが、やはりセスナ172などと比べて異次元なところがあります。ただ、離水したあとはあまり違いは感じません。高翼機であり、翼を支えるストラットがあるため、中から見る景色も172と同じ感じです。
また、172よりも明らかにパワフルであり、ぐんぐん加速します。ターボプロップだから当たり前ではりますし、前述のように離陸もあっという間です。
違いはタキシング中です。タキシング?はもちろん水上なので、まるで船です。風の影響を非常に受けるため、大きくクラブを取って進むようになるらしい。
また、離水するときに波が少ない場所を選んで滑走する必要があり、パイロットが水面をみて波が少ないところを慎重に選んでいるのが印象的でした。陸上機では特に固定翼機においては場所を選ぶ余地はないため、印象的な工程でした。
離水する前は「かなり揺れる」と警告されましたが、別になにも感じませんでした。モーターボートで滑走に入る直前に感じる、ハルが波にぶち当たる感じと全く同じです。
離水するときのタキシング中もさることながら、おそらく桟橋につけるときはもっと大変でしょう。純粋な船よりも風にあおられるでしょうし、流れにも影響されると思います。水上機の操縦には、船の操縦に習熟する必要がありそうだなと感じました。
(ちなみに自分は船舶免許を持っています。また学生時代にボートに乗っていたため、小型の船の挙動についてある程度の知識はあります。)
なお、このときのパイロットは事業用でやってこられていた人のようで、自衛隊やエアライン出身ではないようでした。
訓練をしたのが、なんと自分と同じカリフォルニアのリバーサイド空港(KRAL)とのことで、いわゆる先輩ということになります。あまりの偶然に驚きました。
また、パイロットには自衛隊でF4ファントム2に乗っていた人や、747-400に乗っていた人もいるようで、かなりカラーが違うようです。みんな飛行機への情熱が抑えきれないのかもしれません。ある意味、宮崎駿の世界?に近いような感じです。
みんな飛行機が好きなんでしょう。飛行機自体もよかったですが、とくに話ができたのが楽しかったです。
最後に、目の前にあるリゾートホテルで整体+スパにはいりました。飛行機もよかったですが、このホテルはかなりいいです。お勧めです。
桟橋からの風景ですが、山の中腹にあるのがホテルです。
玄関です。
個人的には控えめにいっても最高でした。水上機に気軽に乗れるのは日本でもここだけです。
スパもよかったので、飛行機+スパはいかがでしょうか。
特に飛行機好きに、お勧めいたします。飛行機があまり好きではなくても、新鮮さはあると思います。
行く前に、「崖の上のポニョ」と「紅の豚」を見てからどうぞ。
独特の感じがあり、離水する前は完全に船であることから、パイロットにも特殊な訓練が必要だろうと思いました。
とても楽しかったです。とくにパイロットといろいろな話をできたのがよかった。
紅の豚をみてワクワクする人はぜひ乗ってみることを勧めます。
機体はこちら Quest Kodiak100
機体はQuestのKodiak100+フロートです。ターボプロップの単発機です。
https://kodiak.aero/kodiak/
Wikipediaはこちら クエスト・コディアック
https://ja.wikipedia.org/wiki/クエスト_コディアック
運航会社のページはこちら。せとうちシープレーンズです。
https://setouchi-seaplanes.com/
なお、機体のKodiak100はクエストエアクラフト社の唯一の製品のようです。胴体がやや太い印象であり、セスナのキャラバンやツインオッターと同じような感じを受けます。STOL性をもち、条件が悪いところで荷物や人員輸送に使用する機体という印象でした。
上記のWikipediaによると、失速速度がフラップダウンで60ktということです。これは、空虚重量3800lbであることを考えるとかなり低いです。
実際に乗った時にも、STOL性はまじまじと感じました。離陸時に抵抗の大きい水上でさえもすぐ浮きます。また、もっと感じたのは着水で、着水するとあっという間に減速し、一瞬で船のようになります。体感したことのない独特の感じです。
ネットで調べて驚いたことは、常石グループはKodiak100を買っただけではなく、製造元のクエスト社ごと購入していることです。正確にはせとうちホールディングらしいですが、要するに常石造船ということでしょう。日本の造船業は青色吐息らしいですが、多角化の一環ということのようです。
ただ、純粋なビジネスともいえなさそうです。飛行機に相当の情熱を傾けていることは間違いなく、その意味で趣味?の要素もありそうです
遊覧飛行はネットで予約します。平日なので20000円/人であり、運航コストを考えると激安だろうとも思います。休日は少し高いですが、それでもまだ安いと感じます。
ちなみに、この遊覧飛行は富裕層向けサービスの一環という面があり、とてもおしゃれです。そのおしゃれさを象徴しているのがカウンターです。
このようなトンネル?的なものを通っていきます。非常に美しいです。
チェックインカウンターはこちら。
そして、普通の旅客機とちがうのが体重測定です。航空機にとって重心位置はとてつもなく大切です。下手をすると致命的になることもあり(とくに後ろに偏った場合)、このような小型機では個人差を無視できないため、体重を測定されます。(旅客機でも海兵隊員をたくさん乗せた旅客機で、体重が標準より重かったことが一因となって墜落した事故もあります・・・。)
ちなみに体重計はこちら。床に埋め込んであります。体重を測定するというと、ポケットの荷物などを出し始める人がいますが、そんなことをしてはいけません。別に純粋な体重などどうでもよく、単にウェイトアンドバランスが気になるだけでしょう。
待合室はこちら。なんだか異様に豪華です。
そして機体に到着です。(再掲)
セスナ172などに慣れていると、少し大きい感じもありますが、通常の旅客機とは比べるべくもありません。フロートはかなり大きい感じがしました。
クラムシェル型ドアから乗り込みます。下側はステップになっており合理的な構造です。
計器はグラスコクピットになっています。PFDが正面に見えます。このあたりは旅客機とそっくりな感じです。
PFDです。自分はずっとR22やR44およびセスナ172でアナログ計器に親しんできたので違和感がありますが、慣れるとこちらのほうがわかりやすいだろうと思います。
スロットルなどはセスナ(172など)に近いです。おそらくキャラバンも同じような感じではないでしょうか。
フロートにはタイヤが仕込んであり、陸上のふつうの飛行場にも着陸できます。電動の油圧操作系になっているそうですが、油圧が喪失した場合は手押しレバーでギアを下すことができるらしい。中央のレバーを150回ほど往復させると足がでるそうです。手動だと大変だということでした。
翼についているバックミラー?です。ランディングギアが目視できないため、それをビジュアルで確認するためのミラーがついています。原始的ですが確実でしょう。
STOL機の場合は高揚力装置は大切になりますが、スロッテッドフラップでした。スラットがついていたかどうかは見忘れましたが、あってもおかしくはないと思います。
フロートについている舵です。まるで船と同じです。
前縁に装着されている車輪です。ギアダウンすると前下方に伸びて固定されるようです。
ということで機体の紹介ばかりというのもどうかと思いますので上空からの景色です。有名な「鞆の浦」です。崖の上のポニョのモデルになった場所らしいですが、風情がありました。
帰りに寄りました。シンボル的になっている常夜灯です。
自分たちが降りたあとに、格納庫までフェリーされていきました。何とも言えない風情があります。
マリーナの全景です。
乗った感想ですが、やはりセスナ172などと比べて異次元なところがあります。ただ、離水したあとはあまり違いは感じません。高翼機であり、翼を支えるストラットがあるため、中から見る景色も172と同じ感じです。
また、172よりも明らかにパワフルであり、ぐんぐん加速します。ターボプロップだから当たり前ではりますし、前述のように離陸もあっという間です。
違いはタキシング中です。タキシング?はもちろん水上なので、まるで船です。風の影響を非常に受けるため、大きくクラブを取って進むようになるらしい。
また、離水するときに波が少ない場所を選んで滑走する必要があり、パイロットが水面をみて波が少ないところを慎重に選んでいるのが印象的でした。陸上機では特に固定翼機においては場所を選ぶ余地はないため、印象的な工程でした。
離水する前は「かなり揺れる」と警告されましたが、別になにも感じませんでした。モーターボートで滑走に入る直前に感じる、ハルが波にぶち当たる感じと全く同じです。
離水するときのタキシング中もさることながら、おそらく桟橋につけるときはもっと大変でしょう。純粋な船よりも風にあおられるでしょうし、流れにも影響されると思います。水上機の操縦には、船の操縦に習熟する必要がありそうだなと感じました。
(ちなみに自分は船舶免許を持っています。また学生時代にボートに乗っていたため、小型の船の挙動についてある程度の知識はあります。)
なお、このときのパイロットは事業用でやってこられていた人のようで、自衛隊やエアライン出身ではないようでした。
訓練をしたのが、なんと自分と同じカリフォルニアのリバーサイド空港(KRAL)とのことで、いわゆる先輩ということになります。あまりの偶然に驚きました。
また、パイロットには自衛隊でF4ファントム2に乗っていた人や、747-400に乗っていた人もいるようで、かなりカラーが違うようです。みんな飛行機への情熱が抑えきれないのかもしれません。ある意味、宮崎駿の世界?に近いような感じです。
みんな飛行機が好きなんでしょう。飛行機自体もよかったですが、とくに話ができたのが楽しかったです。
最後に、目の前にあるリゾートホテルで整体+スパにはいりました。飛行機もよかったですが、このホテルはかなりいいです。お勧めです。
桟橋からの風景ですが、山の中腹にあるのがホテルです。
玄関です。
個人的には控えめにいっても最高でした。水上機に気軽に乗れるのは日本でもここだけです。
スパもよかったので、飛行機+スパはいかがでしょうか。
特に飛行機好きに、お勧めいたします。飛行機があまり好きではなくても、新鮮さはあると思います。
行く前に、「崖の上のポニョ」と「紅の豚」を見てからどうぞ。
2020-03-04 11:06
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