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ロビンソンR22解説 9 内装など [ヘリコプター]

ロビンソンR22の解説 9です。
内装などです。




【燃料コック】
見たとおりの燃料コックです。左席の肩の辺りにあります。チェックリストの冒頭にあるため、使用頻度に比較してなじみのあるものかもしれません。
R22_meter_all4.jpg




【サーキットブレーカー 左席足元】
R22s_breaker.jpg


ベータIIのサーキットブレーカーです。左席のひざの下当たりについています。押しこむのがONの状態で引きあげると切れます。右の方にミクスチャー(スティックの右上)、キャブヒート(スティックの右下)、サイクリックフリクション(スティックの左上、十字のノブ)、トリムノブ(ミクスチャーの左)、あとスティックの根元が見えますね。

ブレーカーがずらっと並んでいますが、まあ車のヒューズのようなものです。ひとつだけ赤いブレーカーがありますが、それはクラッチアクチュエーターです。なぜ赤いかと言うと、クラッチベルトが切れた時のプロシジャー(手順)に「クラッチブレーカーを切る」という項目があるからでしょう。R22に限らず、一般的に航空機ではヒューズは使用されません。何故なら、機械が壊れるのを覚悟で電流を流さないといけないときがあるからです。ヒューズだとすぐに交換できませんしね。

パネルにクラッチライトがありますが、それはアクチュエーターが動いている時だけ点きます。飛行中にそのライトが点いた(一瞬なら正常です。パッと点くのはよくあります。ずっとということ)ということは、ベルトが一本切れてベルトを張り直している可能性があります。あんまり引っ張るともう一本も切れちゃうので、手順に従ってブレーカーを切り(つまりアクチュエーターを止めて)パワーを下げてオートロに入る準備をしつつ、すぐ着地せよとマニュアルに指示があります。



【シート下】
R22_storage.jpg

荷物入れです。シートを持ち上げると出てきます。結構容量はあります。深さも深く、いろいろ入るのですが、一応重量制限があります。この写真は左席ですが、右席にも同じように荷物入れがあります。

なお、R22には最低重量の制限があります。軽すぎると安全にオートロができないからですが、軽すぎる場合は、ここにウェイトを積みます。またあまりないと思いますが重心制限がクリアできない場合にもウェイトでの調整などもするようです。


【プライマー 右席足元】
R22s_primer.jpg


なぜか日本の機体にはついているが、アメリカの機体にはついていないプライマーです。右席の膝下の部分についています。

寒い時の始動時に燃料を余分に送る装置です。ノブを回しながら引いてあとはシュポシュポとポンプのように何度か往復させる様になっています。実際にはスロットルグリップを何度か握れば燃料は送られるそうなので、そんなに必要ではないとか聞きました。実際にスロットルを(エンジンをかけていない状態で)何度かあおるとキャブから燃料がポタポタたれていました。なんちゅう構造だろうかと思った覚えがあります。加速ポンプが働いているそうです。加速ポンプがどう言う仕組みなっているのかわたしは知りませんが・・。

この機体はまともな装備がついている機体ですが、アメリカで見たある機体はここに「HONDA」と書いてあるテープのデッキがついていました。すごく安っぽいデッキで、どうせ某シビックとかから外したデッキを適当に付けたんでしょう。それを見たときに自由なアメリカの空を実感しました・・。



【コレクティブレバー その1】
R22_collective.jpg


コレクティブレバーです。握りはスポンジになっています。手触りは安っぽい感じです。たしかに滑りにくいですが、緊張して手のひらの汗をかくと、それでも滑ります・・・。

先にガバナーのスイッチがついており、右側にしたらONです。握る感覚としては、車のサイドブレーキとよく似ています。
この写真ではよく見えませんが、コレクティブレバーの先にガバナーのスイッチが付いています。右に倒すとONです。

ちょっと気を付けるべきことについて書いてみます。コレクティブは当然左手で握ります。車のサイドブレーキと同じ感じですね。もちろん引き上げるとピッチが上がります。これはまあ自然で気をつけることはありません。
最近ガバナーが必須装備に格上げされました。そのためガバナーの無い機体に乗ることは基本的に無いと思います。ガバナーが付いていればスロットル操作は不要です。
またコリレーターといって、コレクティブを引き上げるとそれに応じて自動的にスロットルが開くようになっています。つまり、実際に飛んでいるときには、連動でスロットルの調整が行われ、微調整をガバナーがしているということです。

また握りがスロットルになっています。手の甲側(左?)に回すとスロットルオープンです。手のひら側(右?)に回すとスロットルクローズです。これが曲者でして、バイクのスロットルと逆なんです。バイクに乗っている方ならぜったい逆にやってしまうと思いますよ。

個人的な印象ですが、ヘリや飛行機が好きな人はバイク好きも多いと思います。あなたがこのページをここまで読むことに耐えられたということは、機械好きであり、かつバイク好きな人も多いと思います。当てはまる方がもしヘリの免許をR22でとるなら気をつけてください。

空中でやってもそんなに大した事にはなりません。そんなに敏感には反応しませんし、だいたい継続的にコントロールしている時には間違えないのです。わたしが思うのに一番まずいのが、プリフライトチェックの最後にある「Low RPM Warning Horn Check」の時かも知れません。あの時はほんの少しコレクティブを上げてからスロットルを絞ります。そうすると回転数が下がりHornが鳴ってチェックできるという仕組みになっていますが、この時に逆にやってしまってエンジンが吹きあがるのはかなり良くないことです。車が好きな方ならエンジンのオーバーレブのヤバさを知っていると思いますが、ヘリでも同じでしょう。気を付けてください。オレゴンチョッパーにかいてありますが、回転計の上限に張りついてしまったら(回転数は117%だそうです)、1万ドル(100万円のケタ)オーバーホールになるそうです。ああこわ。

それから、エンジンをかけるときにスロットルをあおることがありますが、それも結構やばいような気がしますね。R22のエンジンはキャブだからかもしれませんが、なかなかエンジンがかからないことがあります。そういうときは車やバイクでやるようにスロットルをちょっとあおるとうまくかかることがあります。正しい操作かどうかは知りませんが、そうするのは現実的な対応だと思います。もうお分かりのように、エンジンが掛かったらすぐにスロットルを閉じないと吹けあがるんですね。

ちなみに回転計は%表示とはいえ、実際には100%でも2800rpmくらいしか回っていない低回転エンジンです。簡単にオーバースピードになるんですね。油断すると回転が一気に吹けあがるので注意する必要があると教えられました。ま、アイドルが55%(1500rpm)ですので、実はスロットル位置がフルクローズでもそれなりにスロットルは開いているのかもしれません。車などではアイドル700rpm、最高回転数7000rpmなどはざらですが、R22と比較するとR22は(相対的に)極端にアイドル回転数が高いのがわかると思います。

余談ですが、回転数70-75%をキープしてはいけません。マニュアルに書いてあります。テール?の共振のため、一時的に通過するのはよいがそこをキープするのはダメだそうな。ボケボケしているとランアップやクールダウンの時に入ってしまうので注意しましょう。とくにランアップの時はスロットルが一定でも微妙に回転数がずれてくることがありますので注意してください。



【コレクティブレバー その2】
R22_carbheat.jpg


キャブヒートなどです。写真の中に書いた説明のとおりです。



【天井部分】
R22_rotorbrake.jpg


天井部分です。ぶら下がっている取っ手みたいなものがローターブレーキです。引っ張るとローターが止まるようになっています。しかし、フリクションがあまりなくブレーキとしてはあまり止まる感じはしません。ただ、急停止はするべきではないしする必要もないため、こんなものでしょう。
マップランプという、赤い照明がついています。すごく暗いですが・・。

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