ロビンソンR22解説 11 チェックリスト [ヘリコプター]
ロビンソンR22の解説 11です。
チェックリストについてです。
【チェックリスト】
ここからはチェックリストの解説をしてみます。全体的には、当たり前と思われるような項目も多いです。ただし、忘れないようにもれなくという目的で作られるものなので当然でしょう。
なお、このチェックリストは2000年8月に承認された版であり、かなり古いです。現在は細かいところが改訂されています。まあ、雰囲気は十分に伝わると思いますので参考程度に見てみてください。
(そんな方はおられないとは思いますが、これを決して実際に使用しないでください。)
なお、後ろにおいてあるのはニーボードといって、膝に巻きつけて置いてその上で地図などを見るための道具です。
簡単に項目を解説してみます。
[Before Starting Engine]
Seat Belt : Fastened
シートベルトを閉めましょう。
Fuel Shut-off valve : On
燃料バルブを開けるということです。左席の肩の後ろにあります。通常のオペレーションではこのバルブを閉める手順はないはずですので、普通は開になっていると思います。
Cyclic/Collective friction : Off
Cyclic, Collective, pedals : Full Travel free
Throttle : Full Travel Free
Collective : Full down, friction on
Cyclic neutral : Friction on
Pedals : Neutral
フリクションをはずして、すべてのコントロールをグリグリ動かし引っかかるところがないことを確認するということです。荷物などに干渉しないことを確認するということでしょう。ペダルニュートラルのときは、両方のペダルをまとめて片方の足で踏むと良いです。
Governor : Off
ガバナースイッチOffです。コレクティブの先についているスイッチを左側にします。
Circuit breakers : In
ブレーカーがすべてIn(押し込んだ状態)になっているのを確認するということです。
Carb heat : Off
キャブヒートのノブを押し込むということです。
Mixture : Full Rich
Mixture guard : Installed
ミクスチャーのノブをいっぱいに押し込むということです。エンジンをカットする際に引いてあるはずなので、押し込んだ後にミクスチャーガード(プラスチックのわっか)をはめておけば良いです。
Primer : Down and locked
All Switches/avionics : Off
Clutch : Disengaged
ミサイルみたいなカバーの付いたスイッチがオフであることを確認ということです。もしこれがON(正確にはEngage)になっていると、スターターがエンジンだけでなくローターごと回す羽目になります。
Altimeter : Set
ATISで聞くか、空港の標高をセットします。
Rotor Brake : Disengaged
左肩の辺りにローターブレーキの取っ手があります。途中のチェーンを引っ掛けることができるようになっていますが、それをはずすということです。
Map light : Off
まあ当たり前ですね。
[Starting engine and run-up]
Master Switch : On
赤いスイッチを入れます。ちなみにこのスイッチは非常に”特別な”意味のあるスイッチです。というのが、このスイッチに連動してアワーメーター(ホブズメーター)が動きます。つまり、機体をレンタルしているときはこのスイッチを入れたところから切ったところまでお金がかかり続けるということです。(泣泣)
Throttle twists for priming : As required
スロットルをひねると加速ポンプの働きで燃料がすこし送られます。まあ乱暴に言えばチョークのような働きとでもいうのでしょうか。暑いときはしなくても良いです。
Throttle : Closed
スロットルが全閉であることを必ず確認してください。もし全開だったりしたらエンジンオーバースピードでオーバホールの憂き目にあいます。スロットルを親指側に回しておけばOKです。
メンテナンスマニュアルにオーバースピード点検の手順があります。それによると110-116%はメインローターとテールローターのダイナミックバランスをチェックし、ベアリングをチェックすることになるようです。116%を超えたら、さらにブレードをRHCに送り返す必要があるらしい。ちなみにエンジンの関してはライカミング(エンジン製造メーカー)の指示に従えと、簡潔にかつ適当に書いてあります。
Area : Clear
まわりに誰もいないことを確認します。クリアーと大声で叫びます。エンジン始動のハンドシグナルは、腕を曲げてぐるぐる回すということになっています。
うるさくて聞こえない場合はそのようにすればよいでしょう。ちなみにエンジンカットは手刀で自分の首を切るジェスチャーです。
(これは、正式な決まりですので世界中で通用します。素人にも通用するかも。)
Strobe light : On
ピカピカ光る白いライトをつけるということです。
Ignition switch : Start, then both
ここでエンジンがかかります。まあ、車のエンジンをかけるのと大差ないです。
Start then both となっていますが、Bothというのはマグネトを両方使っているという意味です。平たく言えばいつもの場所です。Thenとは書いてありますが、手を離せばbothに勝手に戻る(丁度車とおなじです。)ので、実際にはただひねって手を離すだけです。
Starter-On light : Out
Set Idle Speed : 55%
Clutch switch : Engaged (no delay)
Alternator switch : On (no delay)
クラッチスイッチがno delayとなっているのは、エンジンスタートの際にはベルトが滑っているので、滑っている状態を長時間維持するのが良くないからでしょう。
Blades Turning : Less than 5 seconds
5秒以内にブレードが回り始めるというのが基準ですが、実際にはほぼ同時に回り始めます。
Oil Pressure in 30 sec : 25 PSI minimum
油圧チェックです。数値で指定してありますが、実際にはゲージの色で見ます。
Avionics, Headset : On
ヘッドセットをつけて、やっと静かになります。
Wait for Clutch light : Out
Waitと書いてありますが、ここで数分待つことになるでしょう。
Warm-up RPM : 70 to 75%
まあウォームアップです。飛行機の場合はタキシングとウォームアップを同時に行うことも可能ですが、ヘリの場合はホバリングで全開に近いパワーが必要なのでそのような都合の良いことはできません。まあ、アパッチみたいに車輪式のヘリならできるかもしれません。
ちなみに70-75%に維持するのは結構大変です。スロットルがあまりスムーズに動かないことに加えて、だんだん回転数が上がったり、そして下がったりするので油断できません。少なくとも持続的に60-70%には入れてはいけません。これはテールが共振するため、激しくテールローターギアボックスが揺れ、シールの隙間からオイルが漏れ出すことがあるかららしいです。
Engine gages : Green
実際にはCHT(Cylinder Head Temperature)シリンダーヘッド温度が上昇するのを待つことになります。
Warning Light : Out
警告灯が点いていないのを確認せよ、です。当たり前ですね。
Mag drop at 75% RPM : 7% max in 2 seconds
これはマグネトを左右の片方にしたときの回転落ちが極端でないことを確認ということです。ツインプラグですが、どこかのプラグがダメになっているとここで引っかかるはずです。
Carb heat check : CAT rise/drop
キャブヒートを引いて、CATがあがることを確認です。あたりまですね。回転数が少し下がるのが正常です。
Sprug Clutch check : Needles split
ここはヘリに特徴的なチェックです。実際にやることはただスロットルを急激に閉じるだけのことです。そうすると当然エンジンの回転数が落ちます。そのときにそれに追従してローターの回転数が落ちなければ正常です。つまり、連動しているエンジン&ローターの回転数の”針”が”別々に”動くという意味です。
具体的には、これはオーバーランニングクラッチ(スプラグクラッチ)のテストをしています。ローターの回転数よりエンジンの回転数が低いときはエンジンはローターから切り離され、ローターが空転します。要するにオートローテーションの時にこうなるわけです。
もし、このテストで異常があった場合にどのようなことになるかというとオートロができなくなります。つまり、たとえばエンジンが焼きついて止まってしまった場合はローターも止まります。これはどうしようもなく、操作のしようがありません。
Doors : Closed and latched
ドアを閉めるのは当たり前のようですが、書いてあります。
Limit MAP chart : Check
チェックリストの裏にMAPチャートがあるので見ておけということです。つまり、どこまでパワーを使っていいかチェックするということです。
Cyclic/Collective friction : Off
Governor On : RPM 102-104%
ガバナーをいれ、そして80%まで回転数を上げるとあとは104%まで回転を自動的にあげてくれます。
Lift Collective, Reduce RPM : Horn/light at 97%
これはLowRPM Hornのチェックですが、コレクティブを上げろと指定してあります。これはコレクティブがフルダウンだとこの警告がならないからです。ほんのすこし上げれば十分です。
Area : Clear
周りに誰もいないことを確認して離陸です。
[Shut Down]
Collective Down : Friction on
Cyclic/pedals neutral : Friction on
Governor : Off
Idle at 70 to 80% : CHT drop
ここまで一気にやってしまって、あとはCHTが落ちてくるのをじっと待つことになります。真夏だと結構時間がかかります。お金がこのときにもかかっているので結構いらいらする時間ですね。
Throttle : Closed
Clutch switch : Disengaged
Wait 30 sec : Pull idol cut-off
ミクスチャーをいっぱいまで引きます。当然リーンになるのですぐエンジンが止まります。航空機はなぜか点火カットでなくミクスチャーでエンジンをカットします。
Mixture guard : Back on mixture
Wait 30 sec : Apply rotor brake
ブレーキをかけてローターを止めます。なかなか止まりません。なお、ローターを止めるときはローターを前後方向にそろえて止めましょう。
Clutch light off : All switches off
クラッチが完全にDisengageした事を確認したらスイッチオフです。
チェックリストの裏です。速度制限やパワー制限が書いてあります。
【Limit MAP Chart】
これはPOHからコピーしてきました。R22でも各モデルごとにこのチャートがあり、最新のベータIIは数字の表になっています。しかし、理解するにはグラフの方がよさそうなのでベータのものを載せてみました。
このグラフからは、Takeoff Rating (離陸時に使用できるパワー)を気温と高度から読み取ることができます。たとえば気温(OAT)20度で高度(圧力高度)の場合(ピンク色の丸)は24インチまで使用できます。なお赤で囲っている場所はありえない領域です。
連続最大出力(MCP)はこれより1インチ引けと書いてあります。
気温と標高ということは密度高度(Density Altitude)のことではないかと思われた方は鋭いです。そのとおりです。この表は本質的には密度高度とMAPの対照表です。
【Hight-Velocity Diagramとオートローテーション】
これが有名なHeight-Velocity Diagramです。別名デッドマンズカーブとも言います。これは見ての通りロビンソンR22のものです。各機種にそれぞれあります。
この図で斜線が引いている部分で飛んではいけませんという表です。なぜ飛んではいけないかというと、この斜線内の領域でエンジンが止まった場合(power failure)には安全にオートロに入れないためです。
つまり、地面近くである程度まで加速してから上昇するべきということが分かります。推奨離陸プロファイルもそのようになっていることが分かると思います。
チェックリストについてです。
【チェックリスト】
ここからはチェックリストの解説をしてみます。全体的には、当たり前と思われるような項目も多いです。ただし、忘れないようにもれなくという目的で作られるものなので当然でしょう。
なお、このチェックリストは2000年8月に承認された版であり、かなり古いです。現在は細かいところが改訂されています。まあ、雰囲気は十分に伝わると思いますので参考程度に見てみてください。
(そんな方はおられないとは思いますが、これを決して実際に使用しないでください。)
なお、後ろにおいてあるのはニーボードといって、膝に巻きつけて置いてその上で地図などを見るための道具です。
簡単に項目を解説してみます。
[Before Starting Engine]
Seat Belt : Fastened
シートベルトを閉めましょう。
Fuel Shut-off valve : On
燃料バルブを開けるということです。左席の肩の後ろにあります。通常のオペレーションではこのバルブを閉める手順はないはずですので、普通は開になっていると思います。
Cyclic/Collective friction : Off
Cyclic, Collective, pedals : Full Travel free
Throttle : Full Travel Free
Collective : Full down, friction on
Cyclic neutral : Friction on
Pedals : Neutral
フリクションをはずして、すべてのコントロールをグリグリ動かし引っかかるところがないことを確認するということです。荷物などに干渉しないことを確認するということでしょう。ペダルニュートラルのときは、両方のペダルをまとめて片方の足で踏むと良いです。
Governor : Off
ガバナースイッチOffです。コレクティブの先についているスイッチを左側にします。
Circuit breakers : In
ブレーカーがすべてIn(押し込んだ状態)になっているのを確認するということです。
Carb heat : Off
キャブヒートのノブを押し込むということです。
Mixture : Full Rich
Mixture guard : Installed
ミクスチャーのノブをいっぱいに押し込むということです。エンジンをカットする際に引いてあるはずなので、押し込んだ後にミクスチャーガード(プラスチックのわっか)をはめておけば良いです。
Primer : Down and locked
All Switches/avionics : Off
Clutch : Disengaged
ミサイルみたいなカバーの付いたスイッチがオフであることを確認ということです。もしこれがON(正確にはEngage)になっていると、スターターがエンジンだけでなくローターごと回す羽目になります。
Altimeter : Set
ATISで聞くか、空港の標高をセットします。
Rotor Brake : Disengaged
左肩の辺りにローターブレーキの取っ手があります。途中のチェーンを引っ掛けることができるようになっていますが、それをはずすということです。
Map light : Off
まあ当たり前ですね。
[Starting engine and run-up]
Master Switch : On
赤いスイッチを入れます。ちなみにこのスイッチは非常に”特別な”意味のあるスイッチです。というのが、このスイッチに連動してアワーメーター(ホブズメーター)が動きます。つまり、機体をレンタルしているときはこのスイッチを入れたところから切ったところまでお金がかかり続けるということです。(泣泣)
Throttle twists for priming : As required
スロットルをひねると加速ポンプの働きで燃料がすこし送られます。まあ乱暴に言えばチョークのような働きとでもいうのでしょうか。暑いときはしなくても良いです。
Throttle : Closed
スロットルが全閉であることを必ず確認してください。もし全開だったりしたらエンジンオーバースピードでオーバホールの憂き目にあいます。スロットルを親指側に回しておけばOKです。
メンテナンスマニュアルにオーバースピード点検の手順があります。それによると110-116%はメインローターとテールローターのダイナミックバランスをチェックし、ベアリングをチェックすることになるようです。116%を超えたら、さらにブレードをRHCに送り返す必要があるらしい。ちなみにエンジンの関してはライカミング(エンジン製造メーカー)の指示に従えと、簡潔にかつ適当に書いてあります。
Area : Clear
まわりに誰もいないことを確認します。クリアーと大声で叫びます。エンジン始動のハンドシグナルは、腕を曲げてぐるぐる回すということになっています。
うるさくて聞こえない場合はそのようにすればよいでしょう。ちなみにエンジンカットは手刀で自分の首を切るジェスチャーです。
(これは、正式な決まりですので世界中で通用します。素人にも通用するかも。)
Strobe light : On
ピカピカ光る白いライトをつけるということです。
Ignition switch : Start, then both
ここでエンジンがかかります。まあ、車のエンジンをかけるのと大差ないです。
Start then both となっていますが、Bothというのはマグネトを両方使っているという意味です。平たく言えばいつもの場所です。Thenとは書いてありますが、手を離せばbothに勝手に戻る(丁度車とおなじです。)ので、実際にはただひねって手を離すだけです。
Starter-On light : Out
Set Idle Speed : 55%
Clutch switch : Engaged (no delay)
Alternator switch : On (no delay)
クラッチスイッチがno delayとなっているのは、エンジンスタートの際にはベルトが滑っているので、滑っている状態を長時間維持するのが良くないからでしょう。
Blades Turning : Less than 5 seconds
5秒以内にブレードが回り始めるというのが基準ですが、実際にはほぼ同時に回り始めます。
Oil Pressure in 30 sec : 25 PSI minimum
油圧チェックです。数値で指定してありますが、実際にはゲージの色で見ます。
Avionics, Headset : On
ヘッドセットをつけて、やっと静かになります。
Wait for Clutch light : Out
Waitと書いてありますが、ここで数分待つことになるでしょう。
Warm-up RPM : 70 to 75%
まあウォームアップです。飛行機の場合はタキシングとウォームアップを同時に行うことも可能ですが、ヘリの場合はホバリングで全開に近いパワーが必要なのでそのような都合の良いことはできません。まあ、アパッチみたいに車輪式のヘリならできるかもしれません。
ちなみに70-75%に維持するのは結構大変です。スロットルがあまりスムーズに動かないことに加えて、だんだん回転数が上がったり、そして下がったりするので油断できません。少なくとも持続的に60-70%には入れてはいけません。これはテールが共振するため、激しくテールローターギアボックスが揺れ、シールの隙間からオイルが漏れ出すことがあるかららしいです。
Engine gages : Green
実際にはCHT(Cylinder Head Temperature)シリンダーヘッド温度が上昇するのを待つことになります。
Warning Light : Out
警告灯が点いていないのを確認せよ、です。当たり前ですね。
Mag drop at 75% RPM : 7% max in 2 seconds
これはマグネトを左右の片方にしたときの回転落ちが極端でないことを確認ということです。ツインプラグですが、どこかのプラグがダメになっているとここで引っかかるはずです。
Carb heat check : CAT rise/drop
キャブヒートを引いて、CATがあがることを確認です。あたりまですね。回転数が少し下がるのが正常です。
Sprug Clutch check : Needles split
ここはヘリに特徴的なチェックです。実際にやることはただスロットルを急激に閉じるだけのことです。そうすると当然エンジンの回転数が落ちます。そのときにそれに追従してローターの回転数が落ちなければ正常です。つまり、連動しているエンジン&ローターの回転数の”針”が”別々に”動くという意味です。
具体的には、これはオーバーランニングクラッチ(スプラグクラッチ)のテストをしています。ローターの回転数よりエンジンの回転数が低いときはエンジンはローターから切り離され、ローターが空転します。要するにオートローテーションの時にこうなるわけです。
もし、このテストで異常があった場合にどのようなことになるかというとオートロができなくなります。つまり、たとえばエンジンが焼きついて止まってしまった場合はローターも止まります。これはどうしようもなく、操作のしようがありません。
Doors : Closed and latched
ドアを閉めるのは当たり前のようですが、書いてあります。
Limit MAP chart : Check
チェックリストの裏にMAPチャートがあるので見ておけということです。つまり、どこまでパワーを使っていいかチェックするということです。
Cyclic/Collective friction : Off
Governor On : RPM 102-104%
ガバナーをいれ、そして80%まで回転数を上げるとあとは104%まで回転を自動的にあげてくれます。
Lift Collective, Reduce RPM : Horn/light at 97%
これはLowRPM Hornのチェックですが、コレクティブを上げろと指定してあります。これはコレクティブがフルダウンだとこの警告がならないからです。ほんのすこし上げれば十分です。
Area : Clear
周りに誰もいないことを確認して離陸です。
[Shut Down]
Collective Down : Friction on
Cyclic/pedals neutral : Friction on
Governor : Off
Idle at 70 to 80% : CHT drop
ここまで一気にやってしまって、あとはCHTが落ちてくるのをじっと待つことになります。真夏だと結構時間がかかります。お金がこのときにもかかっているので結構いらいらする時間ですね。
Throttle : Closed
Clutch switch : Disengaged
Wait 30 sec : Pull idol cut-off
ミクスチャーをいっぱいまで引きます。当然リーンになるのですぐエンジンが止まります。航空機はなぜか点火カットでなくミクスチャーでエンジンをカットします。
Mixture guard : Back on mixture
Wait 30 sec : Apply rotor brake
ブレーキをかけてローターを止めます。なかなか止まりません。なお、ローターを止めるときはローターを前後方向にそろえて止めましょう。
Clutch light off : All switches off
クラッチが完全にDisengageした事を確認したらスイッチオフです。
チェックリストの裏です。速度制限やパワー制限が書いてあります。
【Limit MAP Chart】
これはPOHからコピーしてきました。R22でも各モデルごとにこのチャートがあり、最新のベータIIは数字の表になっています。しかし、理解するにはグラフの方がよさそうなのでベータのものを載せてみました。
このグラフからは、Takeoff Rating (離陸時に使用できるパワー)を気温と高度から読み取ることができます。たとえば気温(OAT)20度で高度(圧力高度)の場合(ピンク色の丸)は24インチまで使用できます。なお赤で囲っている場所はありえない領域です。
連続最大出力(MCP)はこれより1インチ引けと書いてあります。
気温と標高ということは密度高度(Density Altitude)のことではないかと思われた方は鋭いです。そのとおりです。この表は本質的には密度高度とMAPの対照表です。
【Hight-Velocity Diagramとオートローテーション】
これが有名なHeight-Velocity Diagramです。別名デッドマンズカーブとも言います。これは見ての通りロビンソンR22のものです。各機種にそれぞれあります。
この図で斜線が引いている部分で飛んではいけませんという表です。なぜ飛んではいけないかというと、この斜線内の領域でエンジンが止まった場合(power failure)には安全にオートロに入れないためです。
つまり、地面近くである程度まで加速してから上昇するべきということが分かります。推奨離陸プロファイルもそのようになっていることが分かると思います。
2020-12-25 01:03
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