RR300 始動シーケンス [ヘリコプター]
少し前にR66に乗りました。そのときに教えてもらいながらですが、RR300を始動しました。
人生初のタービン始動でしたが、最初だからかもしれませんがホットスタートの恐怖はずっと感じました。
その時にホットスタートをはじめとして、タービンエンジンの始動シーケンスを勉強しましたので、今回記載してみます。
最初に、参考文献を挙げておきます。
「ガスタービンエンジン」
ほぼ完全な教科書です。延々と数式がでてきますが、まあ仕方ないでしょう。
いろいろ書いてありますが、熱サイクルの解説のところで、再生サイクルの説明があります。再生率80%などと高いと、最適な圧縮比が3とかいうことになるらしい。再生率が高すぎるような気がしますが、圧縮比が低すぎで衝撃をうけました。だからキャプストンのマイクロガスタービンは再生サイクルなのですね・・。RR300も再生式にすれば燃費もパワーも改善しそうです。
「航空工学講座 タービンエンジン」
まあこれも教科書ですが、上記のガスタービンエンジンがどちらかというと設計の感じであるのにたいして、こちらは整備や運用に力点がある印象です。数式は少なめです。
典型的なタービンエンジンの始動シーケンスのグラフを乗せます。
FAA-H-8083-32-AMT-Powerplant-Vol-1 より。
スターターがエンジンを加速していき、途中でフューエルが入ります。ガス温度が急上昇して、グランドアイドルのところまで少し下がるのが良くわかります。
この途中の上昇のときに、上限を超えないように祈るわけです。
ちなみに、RR300のカットオフの時にはスプールが停止したあとに温度が少し上がります。冷却空気が来なくなるので当然かもしれません。
POHによると、カットオフのときにはエンジン温度を監視しろとなっており、温度が急上昇したら燃料き続けているので火災の手順に従え、となっています。
ということでいろいろ勉強しましたが、R66の始動動画を挙げてみます。
「Martin and Duncan Go Flying - Robinson R66 Start Up」
https://www.youtube.com/watch?v=58wpptr4ZnA&list=WL&index=132&t=374s
典型的イギリス英語で、パイロットが延々しゃべり続けますが、非常に参考になります。チェックリストに従って確実に始動している印象です。
「Robinson R66 Helicopter Start up」
https://www.youtube.com/watch?v=1NhGoEYkycE&list=WL&index=135
CFIが訓練生に始動しています。おそらく初めての始動のような感じです。
これもCFIの説明が的確かつ丁寧です。アンチアイスとキャビンヒーターのOnがホットスタートの原因になりうる、などと説明が入ります。
「Start Stick demo」
https://www.youtube.com/watch?v=j4rZ8blapwc&t=65s
外部電源につなげるリチウムバッテリーの説明です。バスからの銅板の太さが印象的です。
「R66 Startstick」
https://www.youtube.com/watch?v=fFfafVE1HF4
普通にスムーズにR66のエンジンを始動していますが、この動画がもっともスタート中の計器がわかりやすいように思いました。
N1が58%に達したときに、アンメーターが急にゼロに戻るのがわかります。58%でスターターが切り離される瞬間がよく認識できます。
「StartStick Demo」
https://www.youtube.com/watch?v=LimkJaN56ZQ&t=29s
これは、前述のStartstickのインジケーターを映しただけの動画です。写っていませんが機体はAS350B3なので、エンジンはサフランのアリエルであろうと思います。高高度性能を追求した高性能機で、900psくらいのパワーであったと思います。RR300よりははるかにハイパワーなエンジンではあります。
この動画では、エンジン始動の瞬間の電流が500Aに達しています。28Vなので15kw程度でしょうか。信じられない大電流です。そしてどんどん電流が落ちていき、自立すると電流は流れなくなるようです。
RR300の電流がどのくらいかは知りませんが、かなりの大電流であることだけは間違いないでしょう。
「Robinson R66 Turbine Helicopter - Avoiding Hot Starts」
https://www.youtube.com/watch?v=aKzUbiFtvD4&t=83s
ロビンソン純正?の動画です。これも始動手順の説明動画としてよくできています。ちなみにセリフはPOHと全く同じです。とりあえず、MGTが上昇したら燃料をカットオフしましょうということのようです。
「Hot Starts The Turbine Killer」
https://www.youtube.com/watch?v=l9DY2Cp6s6g
ホットスタートしたらこんな感じになりますという動画です。タービンがぼろぼろになっています。
いろいろ勉強しましたが、結局のところは健康なバッテリーを使うという当たり前の話かもしれません。しかし、自分が乗る機体のバッテリーの状態がいつも確実にわかっているかというとそうではないと思います・・。
パイロット側としては、温度が上昇して900度に近づいたら、ロビンソンのいうところの「Insitinctive Reaction」で、カットオフを引くということでしょう。
人生初のタービン始動でしたが、最初だからかもしれませんがホットスタートの恐怖はずっと感じました。
その時にホットスタートをはじめとして、タービンエンジンの始動シーケンスを勉強しましたので、今回記載してみます。
最初に、参考文献を挙げておきます。
「ガスタービンエンジン」
ほぼ完全な教科書です。延々と数式がでてきますが、まあ仕方ないでしょう。
いろいろ書いてありますが、熱サイクルの解説のところで、再生サイクルの説明があります。再生率80%などと高いと、最適な圧縮比が3とかいうことになるらしい。再生率が高すぎるような気がしますが、圧縮比が低すぎで衝撃をうけました。だからキャプストンのマイクロガスタービンは再生サイクルなのですね・・。RR300も再生式にすれば燃費もパワーも改善しそうです。
「航空工学講座 タービンエンジン」
まあこれも教科書ですが、上記のガスタービンエンジンがどちらかというと設計の感じであるのにたいして、こちらは整備や運用に力点がある印象です。数式は少なめです。
典型的なタービンエンジンの始動シーケンスのグラフを乗せます。
FAA-H-8083-32-AMT-Powerplant-Vol-1 より。
スターターがエンジンを加速していき、途中でフューエルが入ります。ガス温度が急上昇して、グランドアイドルのところまで少し下がるのが良くわかります。
この途中の上昇のときに、上限を超えないように祈るわけです。
ちなみに、RR300のカットオフの時にはスプールが停止したあとに温度が少し上がります。冷却空気が来なくなるので当然かもしれません。
POHによると、カットオフのときにはエンジン温度を監視しろとなっており、温度が急上昇したら燃料き続けているので火災の手順に従え、となっています。
ということでいろいろ勉強しましたが、R66の始動動画を挙げてみます。
「Martin and Duncan Go Flying - Robinson R66 Start Up」
https://www.youtube.com/watch?v=58wpptr4ZnA&list=WL&index=132&t=374s
典型的イギリス英語で、パイロットが延々しゃべり続けますが、非常に参考になります。チェックリストに従って確実に始動している印象です。
「Robinson R66 Helicopter Start up」
https://www.youtube.com/watch?v=1NhGoEYkycE&list=WL&index=135
CFIが訓練生に始動しています。おそらく初めての始動のような感じです。
これもCFIの説明が的確かつ丁寧です。アンチアイスとキャビンヒーターのOnがホットスタートの原因になりうる、などと説明が入ります。
「Start Stick demo」
https://www.youtube.com/watch?v=j4rZ8blapwc&t=65s
外部電源につなげるリチウムバッテリーの説明です。バスからの銅板の太さが印象的です。
「R66 Startstick」
https://www.youtube.com/watch?v=fFfafVE1HF4
普通にスムーズにR66のエンジンを始動していますが、この動画がもっともスタート中の計器がわかりやすいように思いました。
N1が58%に達したときに、アンメーターが急にゼロに戻るのがわかります。58%でスターターが切り離される瞬間がよく認識できます。
「StartStick Demo」
https://www.youtube.com/watch?v=LimkJaN56ZQ&t=29s
これは、前述のStartstickのインジケーターを映しただけの動画です。写っていませんが機体はAS350B3なので、エンジンはサフランのアリエルであろうと思います。高高度性能を追求した高性能機で、900psくらいのパワーであったと思います。RR300よりははるかにハイパワーなエンジンではあります。
この動画では、エンジン始動の瞬間の電流が500Aに達しています。28Vなので15kw程度でしょうか。信じられない大電流です。そしてどんどん電流が落ちていき、自立すると電流は流れなくなるようです。
RR300の電流がどのくらいかは知りませんが、かなりの大電流であることだけは間違いないでしょう。
「Robinson R66 Turbine Helicopter - Avoiding Hot Starts」
https://www.youtube.com/watch?v=aKzUbiFtvD4&t=83s
ロビンソン純正?の動画です。これも始動手順の説明動画としてよくできています。ちなみにセリフはPOHと全く同じです。とりあえず、MGTが上昇したら燃料をカットオフしましょうということのようです。
「Hot Starts The Turbine Killer」
https://www.youtube.com/watch?v=l9DY2Cp6s6g
ホットスタートしたらこんな感じになりますという動画です。タービンがぼろぼろになっています。
いろいろ勉強しましたが、結局のところは健康なバッテリーを使うという当たり前の話かもしれません。しかし、自分が乗る機体のバッテリーの状態がいつも確実にわかっているかというとそうではないと思います・・。
パイロット側としては、温度が上昇して900度に近づいたら、ロビンソンのいうところの「Insitinctive Reaction」で、カットオフを引くということでしょう。
2022-01-21 02:04
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