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「トップガン・マーヴェリック」感想 その3 [その他]

また、「トップガン・マーヴェリック」を見に行きました。3回目はIMAXにしてみましたが、何回みても感動するのがすごい。

次の展開が完全にわかっているにもかかわらず感動する不思議な映画です。やはり大傑作といっていいと思います。




同じ映画を何回も見ていると、細かいことにいろいろ気が付きます。

最初と最後に出てくる、トム・クルーズの私物のP51マスタングですが、エンジンにロールスロイスの銘板がついています。アメリカでのアリソンV1710ではないのですね。単なるライセンス生産なので同じものでしょうが、ちょっと驚きました。

そして、最後にペニーとマーヴェリックがP51 に乗っているときに使っているヘッドセットは、軍用の申し子であるデビッドクラークのものを使っています。あのヘッドセットは見た目がいかにもという感じなので映画向きかもしれません。自分も持っています。


ちなみに最後のほうでM61のバルカン砲(ガトリング砲)の残弾表示が出るのですが、大体4000-6000発/分なので、1秒で100発くらいのレートのはずです。もっとあっという間に減りそうなものです。
そして、ガトリング砲は外部動力であることから、停止時もすぐに止まらないような気が・・・。(スピンダウンの時には発射されないで回収される)


あとは、一番気になったのは、自分は戦闘機はもちろん操縦したことはないですが、スロットルやスティックを一気に動かすように描写するシーンが多いことです。
F/A-18がフライバイワイヤかどうかは知りませんが、航空機の操縦はどんなアクロバットでもあんなに一気に舵を切ったら機体が壊れるのではないかと思いました。もちろん、映画としての絵面で激しく操舵する描写が必要であることは理解しますが、実際にあんな感じの操作をしているわけはないだろうと思います。

自分はR22、R44、R66、C172、C152、Extra300、SF-260、シタブリアしか操縦したことはありませんが、普通の操縦の操作では操縦翼面(Control Surfaces)は、操縦かんの操作量として目に見えない程度しか動かさないような気がしました。
まあ、劇中のあれは普通の操縦ではないといわれたらその通りですが、航空機の操縦は極めて繊細であるはずであり、またそうあるべきでしょう。




この映画での飛行機は超かっこいいですが、どこかのマネジメントの会社の動画かなにかで、この映画が部下のマネジメントの失敗例としてこき下ろされていたのは面白かったです。
たしかに、古い人(トム・クルーズ)が出しゃばっていき、結局自分でプロジェクトの主導権を奪うというということですので、このやり方では新しい人は育たないかもしれません。
そもそも、トム・クルーズは管理業務が嫌いな中年のヒーローという感じであるため、上記の会社の言いたいことは理解できますが、そういうのに反旗を翻すというストーリーであるため、そういう問題ではないでしょう。

ま、そんなことはどうでもよくやはり飛行機がカッコいいことがこの映画の本質です。




なお、この映画では稼働前の原子炉を空爆するという作戦が描写されています。実は、昔イスラエルに似たような作戦がありました。

「バビロン作戦」というようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%82%89%E7%88%86%E6%92%83%E4%BA%8B%E4%BB%B6

英語版のほうが詳しいです。
「Operation Opera」
https://en.wikipedia.org/wiki/Operation_Opera

この作戦はめちゃくくちゃな作戦で、F-16がイスラエルを離陸して延々と領空侵犯をしたうえで、イラクの原発を空爆して戻るという、とんでもない作戦ですが、成功しているのがすごいです。このような作戦は日本では考えられません・・・。

この映画はこの作戦を意識していることは間違いなく、一切そのような描写はないですが、敵国として想定しているのは、イラクあるいはイラン(アメリカ以外で唯一F-14を採用した国)あたりでしょう。
Su-57を採用しているのはロシアのみだそうなので、そのあたりも意識しているのかも。





さすがにトップガンを3回みて、だいぶ満足しました。本当に素晴らしい映画でしたが、映画をみると航空機に乗りたくなります。コロナ禍でヘリにもあまり乗れずイライラするこの頃です。

自分のフライトはトップガンと違ってまったく華々しくないですが、実際のフライトは安全であることは最優先であり、冒険しようとはこれっぽっちも思いませんね。
正しいパイロットの仕事は全然華々しくありません。決まったことを確実に落ちなく実行することが求められており、「考えるな!感じるんだ!」という感じではないでしょう。地味なものです。

ただ、飛行訓練をしていると、考えすぎるとうまくいかないことがあるのも確かです。あまり考えずに感覚で飛んだ方がうまくいくことがあるのは皆が経験していることかもしれません。
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